Go to contents

THE DONG-A ILBO Logo

声帯結節を克服して4年ぶりに「9回目の自画像」をリリースした歌手の張思翼氏

声帯結節を克服して4年ぶりに「9回目の自画像」をリリースした歌手の張思翼氏

Posted November. 20, 2018 08:26,   

Updated November. 20, 2018 08:26

한국어

「人生を90までとするなら、野球の試合では2回しか残っていないことになりますね。サッカーで言えば、副審がサイドラインの外で、残り時間を知らせる電光板を持ち上げていることと同じでしょう。気を引き締めて、全員が攻撃する時間でしょう。切羽詰まった気持ちになりました」

歌手の張思翼(チャン・サイク)氏(69)が、4年ぶりに新作アルバムを出して、24日と25日、ソウル世宗(セジョン)文化会館の大劇場で「自画像七」という名のコンサートを開く。ソウル鍾路区洗剣亭(チョンノグ・セゴムジョン)路にある自宅で会った張氏は、「私も70歳(喜寿)になると、時間について考えるようになった」としながら、特有の小じわがいっぱいに広がる笑顔を見せた。その笑いは少し苦いが、甘くもみえた。

彼は来年2月末、ロシアのモスクワ国際音楽堂で、ロシア韓国文化院の主催で初の単独コンサートを開く計画だ。張氏が立つモスクワ国際音楽堂は、ロシアを代表する音楽会場だ。こ会場の最大ホールであるスヴェトラーノフが、張氏が歌うところだ。韓ロ交流音楽会が開かれたことはあるが、この舞台をロシアが一人の韓国人歌手に全てを貸すのは初めてだ。主にクラシック公演が行われる1700席規模のメインホールであり、ロシアの最大オルガンが設置された場所としても有名だ。張氏は、「何曲かはロシア語で翻訳して歌い、韓国語の歌詞を字幕で表示したい」とし、「サムルノリ、ジャズと共演する爆発的な舞台を構想している」と語った。

彼は、来年6月はカナダに渡って、「トロントジャズフェスティバル」にも出演する。「ノイバラ」をはじめとするヒット曲を、現地の管弦楽団とジャズスタイルで新たに編曲して共演する。現地のスタジオで録音してアルバムとしても制作する計画だ。

張氏の大長征の出発点は、22日にリリースする4年ぶりの正規アルバム「9回目の自画像」。最初の曲は尹東柱(ユン・ドンジュ)の詩「自画像」に直接曲調をつけた「自画像」。7分11秒の大曲。

「尹先生の詩の前に1年半ひれ伏しました。毎日毎日、旋律をああしてこうして、千回、2千回も異なった曲をつけて歌ってみてから完成しましたので。趙廷来(チョ・ジョンレ)先生は書くことを刑務所に例えましたが、私も音の監獄に閉じ込められたと言えますね。幸せな刑務所ですね」

歌に秋の光がはっきり感じられる。ホ・ヨンジャの詩「柿」には、葬送曲のような合唱と静かに流れるトランペットがつき、金永郎(キム・ヨンラン)の詩「ウォメ!紅葉になりそう」では、「ウォメ~ウォメ~紅葉しそう」という情味豊かな南道の方言がそのままメロディになる。

張氏は、自宅の2階の作業室で黄茶を丁寧に煎じた。窓の外に北漢山(プクハンサン)と仁王山(インワンサン)の裾が見えた。黄色く赤く秋が暮れていた。「私はこの時、午前10時が気に入ってます」、ベネズエラの歌手ソレダ・ブラボの切ない歌を、大きな音量で流した。ブラボの切ない音色を聞きながら、張氏は酒に酔った人のように目を閉じた。

張氏は、「毎日鏡を見ますが、上辺を見るだけで、裏側の真の姿は見られなかったようです」と笑った。「一生恥ずかしくて足りない私ですが、尹東柱の詩のように、最後には私が恋しくなりますね。日の出の時も素晴らしいが、夕焼けがより美しいでしょうね。イチョウの木は、花はさほど良いとは言えないが、その代わり紅葉は素晴らしいでしょうね」。

2年前に声帯異常で手術を受けた彼は、「95%ほど回復した」と話した。

「フレディ・マーキュリーが持っている声を、私は持っていませんから。あの鉄柱のように、スポットライトのように伸びていく声ですね。でも大丈夫。私には私だけの声がありますから。ハハハ」


イム・ヒユン記者 imi@donga.com