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「アリラン」から始まったユネスココンサート

「アリラン」から始まったユネスココンサート

Posted November. 10, 2018 08:50,   

Updated November. 10, 2018 08:50

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「音楽は平和をもたらすだけの力があります」

「鍵盤の上の求道者」と呼ばれる韓国を代表する世界的ピアニスト白建宇(ぺク・ゴンウ)氏(72)は8日(現地時間)、フランス・パリのユネスコ本部の大講堂で開かれた「平和コンサート」を控えて記者たちと会って、「世界の平和も、南北の平和も『真剣な対話』をするなら実現できると考えている」と述べた。さらに氏は、「音楽は人をより純粋に、より発展させる力を持っている」としながら、音楽を通じた世界と韓半島の平和を祈願した。

同日午後、ユネスコ本部の大講堂では、世界40カ国の駐ユネスコ大使と韓国戦争の参戦フランス軍人、ユネスコが選んだ平和芸術家など1200人が参加した中、平和コンサートが開かれた。駐ユネスコ韓国代表部が主催し、韓仏文化交流団体である「韓国のエコー」が企画した今回の公演は、第1次世界大戦100周年(11月11日)を記念して、韓半島の平和を祈願する意味を込めて用意された。第二次世界大戦後、世界の平和を祈願する雰囲気の中で誕生したユネスコの意味を振り返りたいという趣旨もある。

公演の1部の幕が上がると、世界的な指揮者兼ピアニストであるフィリップ・アントルモンの指揮とオーストリアのウィーンベートーベン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、最初の曲であるアリランが鳴り響いた。アリランは韓国が2012年に、北朝鮮は2014年にユネスコ人類無形文化遺産に登録した曲で、南北平和の意味を込めて、今回の公演のためにオーケストラ用に特別編曲された。

李炳鉉(イ・ビョンホン)駐ユネスコ代表部韓国大使は、「韓半島に新たに吹いている平和の風を、音楽を通じて全世界に伝えたいという趣旨で、今回のコンサートを用意した」と語った。オードレ・アズレ・ユネスコ事務局長は、「今回のコンサートは、近づいている二つのコリア(韓国と北朝鮮)の希望を反映し、南北が継続してより深い関係に発展することを願う招待状ともいえる」と語りながら、韓半島の平和を祈願した。アズレ事務総長は最近、南北がそれぞれユネスコの人類無形文化遺産への登録を申請したシルム(日本の相撲に該当)を南北共同で登録することを先に勧めるなど、文化、科学、教育などの分野で南北間の協力を積極的に助けようとしている。

同日の公演は、白氏とウィーンベートーベン・フィルハーモニー管弦楽団が、ベートーベンのピアノコンチェルト5番「皇帝」を協演しながらピークに達した。白氏は、「ベートーベンは、すべての人を擁した人物だった」と説明した。演奏が終わる観客たちは起立したまま、カーテンコールを4度も繰り返して歓声と拍手を送った。


董正民 ditto@donga.com