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富川映画祭が北朝鮮映画を初めて一般公開、スクリーン越しに覗いた北朝鮮の意外な素顔とは

富川映画祭が北朝鮮映画を初めて一般公開、スクリーン越しに覗いた北朝鮮の意外な素顔とは

Posted July. 17, 2018 10:07,   

Updated July. 17, 2018 10:07

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「あっ、本当に携帯電話を持っているんだね」、「あのサッカーのユニフォーム、プーマじゃない?」

15日午後8時、京畿道富川市(キョンギド・ブチョンシ)の野外広場。第22回富川国際ファンタスティック映画祭(BIFAN)が、初めて北朝鮮映画の公開上映会を行った。

大型スクリーンを通じて公開された映画は、2016年に平壌(ピョンヤン)国際映画祭で最優秀映画賞を受賞した「私の家の話」。 金正恩(キム・ジョンウン)体制の下で作られた比較的最近の作品だ。これまで北朝鮮の映画は許可手続きを踏んで「制限上映」で見ることができたが、誰でも見ることができる場所で公開されたのは初めて。

 「私の家の話」は、親を失った3姉弟妹の中で、プライドが高く勉強のできる15歳の長女、「ウンジョン」を中心に展開する。弟妹を世話するために学校の成績が落ちるが、助けを拒否する。しかし、無条件に愛情を注ぐ隣人の「ジョンア」の温かい心を通じて、社会の愛を知って成長していくという話。

映画の序盤は、比較的日常的でユーモアがあった。家族や恋人、友人と来た観客約200人が、上映会を訪れた。スクリーン前の座席だけでなく、芝生にもゴザを広げてビールを飲みながら、好奇の目で、時には笑って、映画を鑑賞した。

ジョンアがウンジョンに「死ぬほど勉強しても、勉強して死んだ人はいない」と言うと爆笑が起こった。登場人物が手を取り合ってクルクル回ったり、ぎこちないフラッシュバックのシーンは韓国映画とは全く違ったため、笑いが出た。後半に行くほど「元帥様」を繰り返し言及し、体制宣伝的な内容が出てくると、虚しいという反応もあった。

映画が終わって、観客は思ったより見る価値があったと肯定的な評価を下した。富川市民のイ・ドクキュさん(46)は、「子どもの頃、町の人々が子どもを共に育てたことが思い出され、序盤は人間味が感じられた。むろん、ダビングなのでぎこちなく、技術も完璧でなく、映画として評価するよりは、滑稽だった」と話した。ユン・ウンチェさん(34)は、「映画の最大の反転が、『私の家は、結局は党』というメッセージだった。軍隊に20年行ったとか、ジョンアを『お母さん』と呼ぶところが驚いた」としつつも、「北朝鮮の人々の服や食べ物、家など日常をのぞくことができておもしろかった」と話した。

 

キム・ミジョンさん(50・女)は、「映画の意図は明らかだ。コッチェビや北朝鮮の困難な状況について聞いてきたが、3姉弟妹の家がきれいで、引き出し型キムチ冷蔵庫もあり、北朝鮮の観客がどれだけ現実的に感じるのか気がかりだ」と話した。

今回の上映は、4・27南北首脳会談後、初めてなされた南北文化交流活動の一つだ。BIFAN側は、今年初めの統一部の事前接触承認を受け、最近、北朝鮮民族和解協議会から作品上映の許可を受けた。


金民 kimmin@donga.com