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脳・遺伝子・宇宙の秘密、スター科学者5人に聴く

脳・遺伝子・宇宙の秘密、スター科学者5人に聴く

Posted July. 06, 2018 08:57,   

Updated July. 06, 2018 08:57

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宇宙の構造と根本的な生成の原理を研究する物理学者約1300人がソウルに集まった。今月4日から11日まで、ソウル江南区(カンナムク)のコエックスで開かれる「高エネルギー物理学国際会議」(ICHEP2018)に参加するためだ。彼らは宇宙に関してどんな疑問を提起し、その疑問をどのように解くのか。宇宙論と物理学専門家たちが没頭する難題を3つ挙げた。

●最も不思議な宇宙構成粒子、ニュートリノ

 

宇宙の構造と作動原理を説明する、現存する最も完璧で精巧な理論を「標準模型」という。この模型には宇宙を成す物質と重力を除くすべての力を17種の基本粒子が担う。そのうち最も不思議な粒子に挙げられるのがニュートリノだ。

ニュートリノは3種類あり、太陽でも形成される。私たちの体の縦横に1センチの空間に毎秒数百億個が光に近い速度で通過している。この3種類のニュートリノがときどき「変身」し、種類を変える奇妙な性質を持つ。「ニュートリノ振動」という現象だ。東京大学宇宙船研究所の梶田隆章教授らが約10年間の長期間の観測の末、1990年代末にこの現状の存在を確認し、2015年にノーベル物理学賞を受賞した。

 

しかし、まだなぞは残っている。梶田氏は、「ニュートリノと残りの性質はすべて同じで、電気的性質(電荷)だけ反対の粒子、すなわち『反ニュートリノ』が同じ振動現象を見せるのかが最近の学界の話題」と話した。この現象は、宇宙の初期になぜ反ニュートリノなどの反粒子がほとんど消えて私達が知る一般の粒子だけ残ったのか明らかにする時に重要だ。梶田氏は、「観測が難しくないので、数年内になぞが解けることを期待している」と話した。

●私達が知る物質の5倍、暗黒物質

 

私たちが現在、見て触れて研究する宇宙は、全宇宙の5%にも及ばない。残りの95%は正体が分からず観測すらうまくいかない未知の物質とエネルギーでできている。これらを「暗黒物質」とか「暗黒エネルギー」という。暗黒物質は宇宙の約27%を占め、強い重力を発生させる根源だ。宇宙の初期、銀河や宇宙の構造を形成するのに大きな役割をしたと推定される。

暗黒物質の正体はまだ明らかになっていない。世界最大の粒子加速器を保有する欧州原子核研究機構(CERN)のロルフ・ホイヤー前所長は、標準模型の最後の基本粒子である「神の粒子」ヒッグス粒子を2012年に発見した後、記者とのインタビューで、「CERNの次の目標は言うまでもなく暗黒物質だ」と強調した。

すでに理論物理学者らがいくつかの候補粒子を提案している。最も有力なのが、故イ・フィソ博士が初めて概念を提案した「弱く相互作用する重い粒子」WIMP(ウィンプ)と、キム・ジンウィ慶煕(キョンヒ)大学客員教授が理論化した「アクシオン」だ。いずれも韓国基礎科学研究院(IBS)をはじめ様々な国の実験物理チームが検証実験している。

●標準模型から「次世代標準模型」

宇宙の「ほとんど全て」を精巧に説明する標準模型は、人類の知性の金字塔と呼ばれる。しかし、まだ完成されてはいない。重力や暗黒物質、暗黒エネルギーなどの難題は標準模型でうまく説明できない。このため、これを改善した「次世代標準模型」も今回のICHEPで議論される主題だ。

 

次世代標準模型の候補として最も広く研究されているのが「超対称理論」だ。超対称理論によると、標準模型で説明できる粒子は全体の一部にすぎず、それと対をなす対称粒子がさらに宇宙に存在する。紙を半分に折って半分にだけ塗料を塗った後に折れば、方向だけ反対で、特徴は同じ対称の図ができるが、粒子も同じように残りの半分があるということだ。これらの粒子の一部が、暗黒物質ウィンプの候補でもある。この理論では、ヒッグス粒子も1つではなくいくつもある。 重力を伝える粒子も含める。

暗黒物質や超対称理論を実験で直接検証するには長い時間が必要だ。宇宙の初期のように非常に高エネルギー状態でだけ観測可能になるものもあるからだ。大型ハドロン衝突型加速器(LHC)のように、現存する最も強力な粒子加速器でも、それだけの高いエネルギーを出すことができない。鳩は大鵬の世界を理解できないという荘子の言葉のように、低いエネルギー領域に住む私たちは、宇宙の秘密のドアをまだ開けることができない。しかし、ICHEPで高エネルギー物理学者は、加速器科学を議論している。いつか人類が宇宙の初期のエネルギーを自由に扱うことができるようになれば、宇宙の秘密に近付けるという期待のためだ。


ユン・シンヨン東亜サイエンス記者 ashilla@donga.com