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感情を失った少年―怒りを爆発した少女、家出の果ては…

感情を失った少年―怒りを爆発した少女、家出の果ては…

Posted July. 06, 2018 08:58,   

Updated July. 06, 2018 08:58

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「すべての人は、10代の頃に情熱と挫折を味わいます。私はまさにそのことが、あれほど多くの若者が、自分のキャラクターと繋がっている理由だと思います」

漫画「このサイテーな世界の終わり」の著者チャールズ・フォースマン(36・米国)は、電子メールでのインタビューでこのように語った。彼は「主人公ジェームズとエリサが表出する感情はかなり普遍的なものだ」と主張した。漫画「このサイテーな世界の終わり」は、「何も感じない少年」と「憤りを持て余す少女」の物語で、2011年に米国で連載された。以来、英国でドラマで制作され、今年、ネットフリックスを通じて放送後、世界的に人気を集めた。

フォースマンは、この作品が「逃げる若い恋人たちに関する映画であるテレンス・マリック監督の『地獄の逃避行(Badlands、1973年)』から影響を受けた」と語った。「このサイテーな・・・」は、母親が自殺する場面を目撃してトラウマを抱えるはめになった少年ジェームズと、自分をリスや宇宙人だと夢想する少女エリサが家族と学校、街を離れて家出をしたことから物語が始まる。

「私の唯一の目標は、各ページで人生の感情を真に表現することでした。プロットや読者を説得することは気にしませんでした。私はただ、これらのキャラクターを作り出し、彼らの感情を載せたかったのです」

ジェームズとエリサは、現代の鋭敏な感情を持っている「希望のない青春」を代弁する。ルーザーあるいはいじめ、サイコパス、憤怒調節障害を素材にした。親から十分に愛されなかった欠乏感が物語を構成する主な情緒だ。残念ながら、彼らが家族や学校という垣根の外で直面する大人は、小児性愛者、アルコール依存症の人など、全員が異常な人物だ。険しい旅の終わりで、彼らは結局、彼らを探しに出た警察によって逮捕される。ヒーロー物のような結末を期待したなら、最後は少し寂しく、むなしいかも知らない。

「たとえ結末は暗くても、私は青少年たちがそこからそれなりの希望を見つけることを願います。時には誰かがあなたと同じ感情を持っていることを知るだけでも力になりますから」

フォースマンは高校を中退して、2008年、米バーモント州のカートゥンスタディセンター(Center for Cartoon Studies)を卒業した。彼はこの本が自伝的物語かという質問をたびたび受ける。

「私は非常に典型的な郊外の公立学校で子供時代を過ごしました。しかし、10代にうつ病を経験し、今もうつ病と戦っています。そのことが、私がこの年齢のキャラクターについて語る理由です。その時代について何か説明したいものがありますから」

彼は現在、「オートマ(AUTOMA)」というSFジャンル物を手がけているという。この作品には、「ターミネーター2」についての作家なりの新しい解釈を盛り込む予定だ。

「オートマの次は、別の10代のゴス(Goth)物(終末や死を素材にしたジャンル)についてのおおよそのアイデアがあります。この道が私をどこに連れて行くのかは、もう少し見守らなければなりません」


趙允卿 yunique@donga.com