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巨匠100人の息遣い、読者を魅了

Posted May. 10, 2018 08:45,   

Updated May. 10, 2018 08:45

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グスタフ・クリムト(1862~1918)が黄金のモザイクにインスピレーションを受けたイタリア・ラヴェンナのサン・ヴィターレ聖堂、「ハムレット」の背景になったコペンハーゲンのクロンボー城、フリードリヒ・ニーチェ(1844~1900)が虚無主義を深く掘り下げたスイスの湖村レンツァーハイデ・・・。

巨匠の息遣いを感じることができる特別な場所を訪れる「クラシック・クラウド」シリーズが注目を集めている。ブック21の文学ブランド「アルテ」から「クラシック・クラウド」シリーズで先月初めて出版された『シェークスピア』(黄光穗)、『ニーチェ』(イ・ジンウ)、『クリムト』(チョン・ウォンギョン)。このシリーズは巨匠が成長した場所など、冒険をしてインスピレーションを受けた場所を紹介することで、一人の人間としての彼らの人生と共に作品を理解するという企画だ。韓国の作家100人がロンドン、パリ、プラハ、ウィーン、フィレンツェ、リスボンなど12ヵ国154都市を訪れ、全100冊の本を書く予定だ。

該当分野の専門家たちは、短くて2週間、長くて1ヵ月以上の取材旅行を行った後、本を書く。カラー写真も豊富に載せ、これを鑑賞する楽しみも大きい。ブック21文学事業本部のウォン・ミソン部長は、「『シェークスピア』、『「ニーチェ」、『クリムト』は初版で各々3千冊が完売し、1ヵ月で2刷に入った。予想以上に反響があり驚いた」と話した。近く『プッチーニ』(ユ・ユンジョン)、『ペソア』(キム・ハンミン)、『オスカー・ワイルド』(チェ・オクチョン)も出す予定だ。シリーズが全巻刊行するのに10年以上かかると見ている。

読者は高級な文化旅行をした気分だと歓迎している。教保(キョボ)文庫のホームページには、『ニーチェ』を読んだ読者が「旅行をすれば哲学者になるのか分からないが、哲学と旅行がこのように調和するとは」、「ニーチェが伝える、私が一度も見たことないアルプスが懐かしく感じられた」と書き込んだ。『シェークスピア』については、「シェークスピアを全方向から奥深く入り込んだ感じだ。ロンドンからアテネまでシェークスピアの450年の跡をこのように興味深く見ることができただ感謝する」と感想を寄せた。『クリムト』を読んだ読者は、「クリムトが生きた場所と時間を共有して時間旅行をしているようだ」と書いた。

このシリーズのアイディアを出して企画したブック21のキム・ヨンゴン代表は、「古典と名作に対する壁が高いことに着眼して、巨匠が身を置いた空間を新たな接近手段に選択した」とし、「現場を回って専門家たちが発揮した力量がシリーズを通じて蓄積された。読者も人生に対する洞察力を得ることができれば良い」と語った。


孫曉林 aryssong@donga.com