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手の中のクラシック、「クラシックを知ない人たち」の耳が肥える

手の中のクラシック、「クラシックを知ない人たち」の耳が肥える

Posted March. 14, 2018 07:48,   

Updated March. 14, 2018 07:48

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クラシック界では時間が特に遅く流れる。デジタル音源時代だが、クラシックだけは公演会場とCD、LPにこだわる人たちが少なくない。他のジャンルに比べて形式と音感を大切に思うからだ。

最近、このような雰囲気も少しずつ変わり始めている。デジタルでクラシック音源や公演情報を提供するモバイルアプリケーション(アプリ)など、さまざまなサービスが登場している。最近のこのような流れは、クラシック知識と新しい感覚で武装した「クラシックスタートアップ」が率いている。

最近、「クラシックマネージャー」とアプリで「クルアルモッ」(クラシックを知らない人)から「クルジャルアル」(クラシックに詳しい人)に生まれ変わった人たちが相当いる。スタートアップ「アーティスツカード」が昨年発売したクラシック・マネージャーは、初心者でも簡単にクラシックにアプローチできるように手助けする。

たとえば、ドビュッシーの「月光」を音声検索すれば、ほぼすべてのバージョンの音源に会うことができる。ドビュッシーの生涯、該当曲にまつわるエピソードはもとより、楽譜も詳細に提供する。アーティスツカードの代表であるチョン・ヨンスン作曲家は、「膨大なデータベースに基づいて自動検索キュレーション(取捨選択)システムを開発した」と主張した。クラシックマネージャーは、これまで15万人がダウンロードした。

「ウィズクラシック」は、大小のクラシック公演情報を網羅するインターネットプラットフォームである。大手芸能事務所で手掛ける公演でなくても、直接歩き回って見つけた1人公演や無料公演、近所の公演情報までを提供する。声楽が好きであてもなく業界に飛び込んだウェブデザイナー出身のイム・ジェハン代表は、「クラウドファンディングを通じて企画した公演を販売するサービスも準備している」と語った。

このほか、オーケストラのゲーム音楽を作る「プラジック」と楽器演奏時に伴奏音を聞かせる「フォケストラ」を作った「イーストコントロール」も目立つクラシックスタートアップ。クラシック分野の解説者を養成する「モーツァルトの魔笛」と子供の目線に合わせたコンテンツを企画する「オールアート」もある。

実は、クラシックスタートアップが増えた背景には、限界に直面したクラシック界が見つけた「脱出口」の性格もある。「クラシックに狂う」の運営者であるアン・ドゥヒョン楊坪(ヤンピョン)フィルハーモニックオーケストラの指揮者は、「ますますクラシック界の状況が厳しくなっているので、職にありつけない専攻者が多い」とし、「彼らが活路を模索するために、さまざまなスタートアップに目を向けるのが現状だ」と診断した。

しかし、海外でもクラシックスタートアップすでに大勢となっている。国内クラシック演奏者たちの未発表音源を提供するストリーミングサービス「クラシカルネットワーク」は、オランダのスタートアップ「プライムフォニック」を模して作った。ドイツのストリーミングサービス「イダジオ(Idagio)」、世界の演奏者らの求人求職を支援するデンマークのトゥルーリンクト(Truelinked)、オーダーメイド型マウスピースを販売する英国のSYOSなどが脚光を浴びている。

ノ・スンリム音楽評論家は、「最近、積極的にクラシックを消費しようとする愛好家たちが登場したことで、彼らをターゲットにしたさまざまなサービスが市場に出現している」とし、「結局、長期的にクラシック市場を広げるのに役立つだろう」と見込んだ。音楽評論家のハン・ジョンホ氏は、「文化関連政府支援金制度が増えたことで、クラシック関連の社会的企業が増えたことも一役買っている」と分析した。


李雪 snow@donga.com