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同じジゼル、異なる感動

Posted March. 13, 2018 08:13,   

Updated March. 13, 2018 08:13

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バレエのファンなら、3、4月に見逃せない公演がある。韓国国内二大バレエ団である国立バレエ団とユニバーサルバレエ団(UBC)が出した「ジゼル」である。「ジゼル」は、ロマンチックバレエの真髄に挙げられる。

二つのバレエ団の「ジゼル」は、比較しながら見る味わいがある。3年ぶりに披露する国立バレエ団の「ジゼル」(21~25日、ソウル芸術の殿堂のオペラ劇場)は、フランスのパリオペラバレエ団の元芸術監督だったパトリス・バールが振り付けを担当した作品である。4年ぶりに披露するUBCの「ジゼル」(4月6~15日、ソウルユニバーサルアートセンターの大劇場)は、ロシアのマリインスキー・バレエ団のバージョンである。ジュール・ペロー とジャン・コラーリの振り付け作で1841年に初公演された。今回の公演では、マリインスキーバレエ団の首席ダンサーであるバレリーノのキム・ギミンが男性主人公アルブレヒト役で、国内ファンに会う予定である。

●ウィリー群舞を見逃してはならない

「ジゼル」の白眉は2幕のウィリー(Willy・処女ゴースト)たちの群舞だ。男に裏切られて死んだ鬼娘たちが、森の中を通る男を拉致して、日が昇るまで躍らせるシーンである。姜秀珍(カン・スジン)国立バレエ団長と文薰淑(ムン・フンスク)UBC団長は共にこの群舞を作品のハイライトとして挙げて、「公演の成否を左右するほど重要だ」と口をそろえた。実際に「ラ・バヤデール」の亡霊の王国、「白鳥の湖」の湖畔での振り付けと一緒に、バレエ・ブラン(ballet blanc・白のバレエ)を代表する名場面である。

二つバレエ団の「ジゼル」共に、2幕の公演時間55分のうち30分が群舞シーンであるほど、その割合が大きい。このため、2幕は主人公ジゼルよりコール・ド・バレエ(群舞)団員の舞台といっても過言ではない。国立バレエ団は計24人、UBCは18人の群舞団員が舞台に立つ。「ジゼル」群舞の構成は、他の作品に比べて多様なほうである。舞台を斜めに分ける斜めの隊列が最も多く、円形隊列、6行隊列、8行隊列などがある。

この他、文薰淑UBC団長は2幕で男主人公アルブレヒトの最後のシーンを名場面に挙げた。文団長は、「男性ダンサーがアントルシャシス(両足で踏み切って垂直に跳躍し、滞空中に両足を交差させる動き)を32回も披露する」とし、「通常のバレエでは頻繁に見ることのできない高難度の技だ」と説明した。

●有名バージョンを比較する楽しみも捨てがたい

マリインスキー・バレエ団とパリオペラバレエ団のバージョンは、どのような点が違うだろうか。文団長は、「最大の違いは、1幕の『ペザント・パ・ド・ドゥ』(Peasant pas de deux・農夫の2人のステップ)」と主張し、「観客がより多くのソリストの踊りとテクニックを見ることができるように、2人のステップを6人のステップに変えて演出している」と説明した。ジゼルの村の友人たちが男女ペアを作って踊るシーンで、国立バレエ団では一対の男女ダンサーが、ユニバーサルバレエ団では3組の男女ダンサーが出る。夜の共同墓地が背景である2幕の照明も違う。国立バレエ団は暗い灰色を、UBCは青い光の照明を使用する。

同じ作品について、世界有数のバレエ団が異なるスタイルで解釈するほど「ジゼル」は魅力的である。姜団長は、パリオペラバレエ団バージョンの「ジゼル」の魅力として、洗練された振付とステップを挙げた。氏は、「パリオペラバレエ団のスタイルは、繊細ながらも、音楽を体で表現することを大切に考えている」と説明した。

バレエ大国ロシアのマリインスキー・バレエ団バージョンの「ジゼル」は、上半身の動きが美しいという評価を受ける。キム・ギミン・マリインスキーバレエ団首席ダンサーは、「ダンスを通じて台詞を繰り出すように、自然な演技スタイルのおかげで、世界的に多く愛されるバージョンである」と強調した。


金正恩 kimje@donga.com