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宇宙に関する最も興味深い知識

Posted March. 10, 2018 07:51,   

Updated March. 10, 2018 07:51

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宇宙についての興味深い知識がよく整理された本である。

学者たちが観測する空は、自然史博物館の壁に過去の姿を時代別に並べた図のようである。博物館が化石などをもとに想像して描いたなら、宇宙は本当の過去の姿を現す。光が地球に到達する時間ほど、遠くの星々は遠い過去を、近い星々は近い過去を示す。

観測対象には「マイクロ波宇宙背景放射」もある。ビッグバン以来38万年の間に、宇宙は物質とエネルギーの密度が非常に高いスープのようだった。観察者がいたとしても、先を見ることができなかった。そうするうちに、宇宙の温度が3000K(絶対温度)の下に落ちると、光子の動きを妨げていた電子が周囲の陽子に捕まり、光子は初めて前進することができるようになった。光子は宇宙膨張によってエネルギーを失ったが、依然として私たちの前に現れる。これが宇宙背景放射である。科学者たちが最近、細かい背景放射の分布図をを作った。このマップは、宇宙初期物質の分布構造を示す。

銀河と銀河との間は、ただの空っぽなスペースだろうか?星の数が少ない矮小銀河(dwarf galaxy)、銀河を超えて暴走する星、高温ガス、ガス雲、宇宙線の粒子、暗黒物質などがその空間を満たしている。主な観測対象でもない、銀河から遠く離れた空で超新星爆発が少なからず観測されるのは、銀河の重力から脱して漂う星が信じられないほど多いことを示唆している。

天文学者である著者は、国内でも放映されたドキュメンタリー「コスモス:スペースタイム・オデッセイ」(ナショナル・ジオグラフィック)の司会者でもあった。難解なテーマを大衆の目線で解いていく洗練された物語、ウィットのある文章、天文学が人類に与える意味についての洞察を見れば、著者がなぜ広く愛される学者であるかがわかる。元老天文学者の翻訳も滑らかである。原題は「Astrophysics for People in a Hurry」。


趙鍾燁 jjj@donga.com