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韓国単色画は「見た目はいいけど使えない?」 ...英ナショナル・ギャラリーで開かれた企画展

韓国単色画は「見た目はいいけど使えない?」 ...英ナショナル・ギャラリーで開かれた企画展

Posted February. 20, 2018 09:01,   

Updated February. 20, 2018 09:01

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数年前から続いた韓国の単色画ブームの実体は何だったのか。単色画を主に扱う国際ギャラリーは、2015年に記録した1120億ウォンの売り上げが昨年には約410億ウォンに半減した。競売市場も取引が停滞し、単色画の落札総額も下降傾向だ。今も単色画を美術界の「安全資産」と見る人が少なくないが、「バブル」を警告する声も大きくなっている。

最近、英ロンドンで開かれた「モノクローム:ペインティング・イン・ブラック・アンド・ホワイト」は、このようなムードを感じることができる展示だった。ロンドンの中心部のトラファルガー広場にあるナショナル・ギャラリーの主催で昨年10月から開かれ、世界的な関心を集めた。14世紀のステンドグラスから21世紀の設置美術まで世界のモノクローム(単色画)を通時的に扱った企画展だった。マルレーネ・デュマス(南アフリカ共和国)やチャック・クローズ(米国)、ブリジェット・ライリー(英国)など同時代の作家も多数布陣した。しかし、驚いたことに韓国の単色画は一点もなかった。

この展示を4年間準備したというキュレーターのレリア・パッカーさんの反応はさらに驚くべきものだった。パッカーさんは東亜(トンア)日報とのインタビューで、「申し訳ないが韓国の単色画については聞いたことがない」と答えた。数人の作家の名前を言っても同じ回答だった。パッカーさんは、米ニューヨーク大学でモノクロームをテーマに博士論文まで書いた専門家だ。また別の関係者も、「商業ギャラリーの一部は韓国の単色画を知っているが、学界での認知度は低いのが現実だ」と説明した。

専門家たちはこれを競売市場の商品価値だけで接近して生じた限界だと指摘した。研究・教育が目的の国立美術館は歴史的価値を重視するが、単色画は研究の実績や国際的な美学が貧弱なのが実情だ。インディペンデントキュレーターのホ・ユリムさんは、「海外の競売も情報が公開されないため、取引の実績だけで信頼度を高めることは難しい」とし、「海外で学術・美学的認知度が共に確保されてこそ価格が安定的になる」と説明した。

韓国の単色画を一つの独立した思潮で見るのは難しいという指摘もある。「アート・イン・アメリカ」編集長のリチャード・バイン氏は、単色画が遅れたモダニズムと捉えられる恐れがあり、韓国美術界がこれを積極的に払拭しなければならないと診断したことがある。パッカーさんも、「ジャスパー・ジョーンズなど個別の作家のモノクロームに光を当てるが、技法そのものを扱う展示はなかった」とし、「今回の展示も最大スケールでモノクロームの長い伝統を見せることが企画の意図」と話した。

ある美術界関係者は、今からでも韓国単色画に対する冷静な再検討が必要だと助言した。同関係者は、「世界の人々が印象派を見にパリを訪れるように、単色画が国際的に認められるには、水墨で続いてきた長い伝統を新しい美学として前面に出すことができるのか検討する必要がある」とし、「海外事情に疎い韓国国内コレクターを欺瞞することがあってはならない」と強調した。


金民 kimmin@donga.com