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新羅末の障泥からタマムシの装飾、初めて発見

新羅末の障泥からタマムシの装飾、初めて発見

Posted December. 01, 2017 09:20,   

Updated December. 01, 2017 09:51

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慶州(キョンジュ)の金冠塚で出土した障泥(あおり、泥よけの馬具)からタマムシの羽の装飾が発見された。新羅王陵のうち、鞍から障泥まですべての馬具にタマムシの羽が装飾に使われていた事実が初めて確認されたのだ。

国立慶州博物館の保存科学室は30日、「金冠塚の障泥の外枠のかけらを顕微鏡で観察した結果、竹版の上についているタマムシの羽を発見した」と明らかにした。昆虫の羽は腐りやすい有機物なので、タマムシの痕跡を確認することは容易でない。

これまで障泥が発見された新羅王陵は、金冠塚と天馬塚、金鈴塚の3ヵ所。新羅時代の障泥からタマムシの装飾の痕跡が発見されたのは初めて。1975年に皇南大塚が発掘された際、タマムシの羽で装飾された鞍と鐙、杏葉は発見されたが、障泥は出てこなかった。

「王の昆虫」と呼ばれるタマムシは、全身から虹色を放つ珍しい昆虫で、新羅と高句麗、倭で最高級の工芸装飾として使用された。特に新羅では金銅版透彫の下にタマムシの装飾をほどこして華やかさを加えた。現在、国内のタマムシの生息数は非常に少なく、天然記念物に指定されている。実際に博物館は、タマムシのサンプルを採取するために文化財庁から事前に許可を受けた後、昆虫学者と3日間、現地調査した末、全羅南道莞島郡唐仁里(チョンラナムド・ワンドグン・タンインリ)で一匹のタマムシの死骸を手に入れることができた。

金冠塚の障泥は、天馬塚から出土した障泥のように竹版の上に天馬図を掘った金銅装飾が覆われていた。天馬塚の障泥の場合、タマムシの羽の代わりに織物が装飾されている点が異なる。博物館によると、金冠塚の障泥はいくつかの段階の製造工程を経ている。織物の上に竹版をのせ、タマムシの羽で装飾されたが、この時、竹版に羽を固定させるために漆を塗った。最後に天馬が彫られた金銅装飾版が覆われ、穴をあけてネジをさして版全体を固定した。

慶州博物館のイ・スンリョル研究員は、「タマムシの羽は腐食により一片だけ発見されたが、竹版全体に漆が塗られたことから、版全体が羽で装飾されたのだろう」と説明した。皇南大塚から出土した「玉蟲裝飾鞍裝後輪」を復元する時、約2千匹が使われたことから、これより約2倍の大きさの金冠塚の障泥には3千~4千匹のタマムシの羽が使われたと推定される。鞍と鐙、杏葉まで含めれば、金冠塚の馬具セットの装飾に少なくとも約1万匹が使われた計算になる。慶州博物館のシン・ヨンビ学芸研究士は、「新羅人が王陵を飾るために途方もない努力をしたことが推測される」と話した。



金相雲 sukim@donga.com