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イタリア「椿姫」の主人公に抜擢されたソプラノのカン・へミョン

イタリア「椿姫」の主人公に抜擢されたソプラノのカン・へミョン

Posted October. 31, 2017 09:29,   

Updated October. 31, 2017 09:33

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2003年、イタリアに留学中だったソプラノのカン・へミョン(39)は、韓国と日本、フランスが共同制作するオペラ「カルメン」(指揮=鄭明勳)のオーディション情報を偶然手にした。このオーディションは、日本、韓国の有名声楽家たちが参加する「星の戦争」と呼ばれた。「何のキャリアもない私は、当てもなく主催側に電話しました。数日間電話でお願いして、やっとオーディションを受けるチャンスを得ました」

1カ月後、彼女は合格通知を受け取った。「ほんの端役に過ぎなかったんですが、鄭指揮者は、私が本当に切実に見えたと選んでくれたんです」。その後、彼女は2004年に鄭明勳(チョン・ミョンフン)が指揮する日本NHKの新年音楽会に再び選ばれ、真価を証明された。

11月17~19日、ソウル芸術の殿堂オペラ劇場で行われるラベラオペラ団創立10周年記念作であるオペラ「ドン・ジョバンニ」に出演する彼女を26日、ソウル鍾路区(チョンノグ)のとあるカフェで会った。今回の公演は、世界的なオペラ演出家であるハンス・ヨアヒム・フライと指揮者のヤン・ジンモ、京畿(キョンギ)フィルハーモニー管弦楽団をはじめ、バリトンのキム・ジョンピョ、ウ・ギョンシク、ソプラノのパク・ハナ、テノールのイ・ヒョンジェが出る。

カン・へミョンは9月、ドバイオペラハウス開館1周年の記念公演で、唯一の韓国人声楽家として、ドン・ジョバンニの主役であるドンナ・アンナとして出演して、さらに期待を集めている。国内ではあまり知られていないが、彼女は昨年、世界的なテノール「プラシド・ドミンゴ」の来韓公演の舞台にも立った。一緒に舞台に立ったドミンゴコンクールの入賞者出身であるテノールのキム・ゴンウ、ムン・セフン、ソプラノのパク・へサンと違って、ただ一人コンクール出身ではなかった。「私のイタリアのマネージャーが『スリーテノール』の公演を企画し、20年以上もドミンゴのマネジメントを担当していたんですよ。幸いなことに最終候補の名簿に入った後、ドミンゴが私を選んで、ステージに立ちましたね」。その後、イタリアでドミンゴと一緒に舞台に立ったこともある。

鄭明勳、ドミンゴだけでなく、彼女はバリトンのトーマス・ハンプソン、ソプラノの曺秀美(チョ・スミ)とルネ・フレミング、指揮者ミシェル・プラッソングなどの有名音楽家たちと一緒に舞台に上がった。2004年からフランスで活動し、2010年に帰国した。「イタリア、ドイツより人種差別のなさそうなフランスも、見えない壁はありました。声楽家として東洋人の限界を痛感しましたよ」

故郷の済州(チェジュ)を本拠地に、コンサート出演と中国大学への出講で、オペラ声楽家とは別の人生を送った。2015年、ラベラオペラ団の「アンナボレロ」に出演して転換点を迎えた。「再びオペラの魅力を感じました。声楽家としてオペラの本場であるイタリアで認められたいと思い、最後という考えでイタリアに行きました」

現在、彼女は第2の全盛期を迎えている。昨年、全欧州劇場に生放送されるイタリアのタオルミーナ音楽祭の開幕作「蝶々夫人」の主役を演じた。来年は、イタリアを代表する劇場の一つであるナポリのサン・カルロ劇場とトリエステ・ヴェルディ劇場で公演する「椿姫」の主人公であるヴィオレッタを引き受ける予定だ。ヴィオレッタは、典型的な西洋声楽家の役割であり、東洋人ではなかなか手にできない難しい役柄の一つである。それだけ歌の実力で認められたという意味である。

「韓国で5年間活動して、オペラにずいぶん飢えを感じました。今はすべての機会が切実に迫ってきています。声楽家たちは40代が全盛期と言われるが、私も今や40代が本当の全盛期になるような気がします」。入場料は3万〜19万ウォン。お問い合わせは02-572-6773まで。



金東昱 creating@donga.com