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小説家の韓江氏、「少年が来る」でイタリア最高文学賞を受賞

小説家の韓江氏、「少年が来る」でイタリア最高文学賞を受賞

Posted September. 16, 2017 09:02,   

Updated September. 16, 2017 09:06

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小説家・韓江(ハン・ガン、47)が14日(現地時間)、長編小説「少年が来る」でイタリアの権威ある文学賞「マラパルテ賞」の受賞者に選ばれた。

この賞は、「クーデターの技術」「壊れた世界」で有名なイタリア作家「クルツィオ・マラパルテ、1898~1957)を称えるために1983年に制定され、イタリア文学界の巨匠「アルベルト・モラヴィア」の主導で創設され、世界文学に活気を吹き込む外国作家に授与されてきた。歴代受賞者には、ノーベル文学賞を受賞した米小説家ソール・ベローや南アフリカの小説家ナディン・ゴーディマー、フランスの小説家ミシェル・トゥルニエ、米国の作家スーザン・ソンタグらがいる。

「少年…」は、5・18民主化運動を背景に、戒厳軍に立ち向かって死亡した中学生「トンホ」と周辺人物たちの内面を描いた作品で、生者と死者の視線を交差させながら、残酷な苦痛と深い悲しみを物寂しい筆致で描いた。この作品は、韓氏のマン・ブッカー賞受賞作「菜食主義者」と一緒に、政府が公共図書館に備え付ける優れた図書に選んで支援する世宗(セジョン)書籍事業で「問題書籍」に分類され、支援対象から外されて議論になったこともある。

文学賞審査委員会側は受賞者を発表しながら、「『少年…』の生きているイメージが読者らの興味を誘い、読み終わるまで手を離させない」と評した。

イタリアの出版社アデルフィはこの本を「アーティウマニ」(「人間の行為」という意)というタイトルで、最近現地で発行した。「菜食主義者」を翻訳して韓氏とマンブッカー賞を受賞したデボラ・スミス氏(30)が英語に訳したものをイタリア語で訳した。審査委員会は、この本が現地で公式出版される前に翻訳本を読んだ後、韓氏を受賞者に選んだという。

授賞式はマラパルテが滞在していたナポリ近くのカプリ島で来月1日に行われる。韓氏は今月30日にナポリ市役所で地元の記者たちと文学の関係者らを対象に、「少年…」と「菜食主義者」などの代表作と作品世界を紹介する予定だ。また、ナポリ、ローマ、ミラノのラフェルトリネリ書店で読者たちに会う計画だ。昨年現地で出版された「菜食主義者」も、イタリア読者から良い反応を得ていることが分かった。



孫曉林 aryssong@donga.com