米映画俳優「アネット・ベニング」が率いた第74回ベネチア国際映画祭の審査委員団は、映画祭の閉幕日だった9日、映画祭の最高賞である金獅子賞の受賞作として、デル・トロ監督のSFロマンス映画を選んだと発表した。この作品は、冷戦時代を背景に米政府の人里離れた実験室で働く言語に不自由な女性が、そこに隠れている塊生命体と恋に落ちるという物語を盛り込んでいる。社会の不平等と気候変動に関するメタファーを込めて、映画祭の期間中に好評が続いた。
「ヘルボーイ」と「版の迷路-オフィーリアと3つの鍵」、「パシフィック・リム」などを演出した監督は、「マラソンを走った後に勝ったような気がする」とし、「あなたの信念が何であれ、常に信念を持って生きなさい」という受賞感想を明らかにした。
金獅子賞に続く審査委員大賞は、2009年に「レバノン」で金獅子賞を受賞したイスラエル監督「サミュエル・マオズ」が演出した「フォックストロット(Foxtrot)」が獲得した。主演女優賞は映画「ハンナ(Hannah)」の英国俳優「シャーロット・ランプリング」が、主演男優賞は「ザ・インサルト(The Insult)」の主人公「カメル・エルバシャ」がそれぞれ受賞した。
今年の映画祭では計21本の作品がコンペティション部門に招待され、非競争部門とベニスクラシックなどを含めて、計90本あまりの映画が上映された。韓国映画では、ハーバード大学を経て、現在カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の教授として在職中のキム・ジナ監督の12分の長さの仮想現実映画「東豆川(トンドゥチョン)」がベストVRストーリー(Best Vertual Real I Ty story)賞を受賞した。
張善熙 sun10@donga.com