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ベルリン放送交響楽団の最年少首席バスーン奏者、29歳のユ・ソングォン

ベルリン放送交響楽団の最年少首席バスーン奏者、29歳のユ・ソングォン

Posted September. 07, 2017 09:09,   

Updated September. 07, 2017 09:54

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「ソングォン。韓国に帰るわけじゃないんだろう?他の楽団に行っちゃだめだよ」

ドイツ・ベルリン放送交響楽団の首席バスーン奏者であるユ・ソングォン(29・写真)は、このオーケストラ唯一の東洋人である。他の団員たちから別のオーケストラに移るのかと心配され、引き止められた団員でもある。その主人公を最近、ソウル中区(チュング)のとあるカフェで会った。

ユ・ソングォンは2009年、ベルリン放送交響楽団のアカデミーオーディションを受けた。彼の演奏を聴いたオーケストラの団員たちが正式団員として志願することを勧めた。バスーン首席奏者のポストに180人の志願者が集まった。6回にわたる激しい競争の末、彼はその翌年、正式団員となった。

「学校に入ろうと思ったんですがすぐに会社に入社したんですね。ベルリン放送交響楽団の最年少首席奏者としての入団のことであり、まだ私がその記録を持っています。人々のアドバイスをよく聞きながらも、怖さを知らなかったのが秘訣だったと思います」

2011年、彼は67歳まで交響楽団で活動できる終身資格を獲得した。バスーン奏者は首席2人、副主席1人、団員2人の計5人で、現在(もうひとつの)首席のポストは8年間空席となっている。彼の存在感が高くならざるをえない。

「私がハードルを高くしてしまったみたいですね(笑)。私より上手な奏者が入ってくれればと思います。そうなれば、学べることもあるし、なおさら一所懸命にやりますから。競争は怖くありません」

三十にもならない歳だが、一般人で言えば、職場生活8年目といえる。月に6~8回出勤して、約10回舞台に上がる。毎日家で6時間以上練習することも欠かさない。

「堂々巡りのような生活だから、時間が経つのが早いような気がします。それでも依然としてやったことのない作品が多く、新たな客員指揮者に会うことができるので、退屈とは思いません。オーケストラが本業ですが、時々チャンバーと独奏活動もしています」

ベルリン国立音楽大学で講義をしている彼は、教授になりたい夢がある。音楽家としては、ピアニスト「白建宇(ぺク・ゴンウ)」のような奏者になるのが目標だ。

「年を取るほど演奏や外見において自分の人生の姿がそのまま表れるような気がします。私は、白建宇先生のように、年をとっても落ち着いて活発に活動できる奏者になりたいと思います。友人であるピアニスト(キム)ソンウクとも、白先生のような人になろうとよく話します。30年後、私のバスーンの音はどうなっているのか本当に知りたいですね」



金東昱 creating@donga.com