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20年間をかけて聖書1189章をすべて詩に、「私が生きてきた理由」

20年間をかけて聖書1189章をすべて詩に、「私が生きてきた理由」

Posted August. 10, 2017 09:29,   

Updated August. 10, 2017 09:35

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「詩人、朴木月(パク・モクウォル、1915~1978)と黃錦燦(ファン・グムチャン、1918~2017)と一緒に抱いていた夢を今になって実現することができました。先輩たちも苦労したと肩を叩いてくれるでしょうか?」

7日、ソウル光化門(クァンファムン)で会った出版社「ソンソウォン」の金永鎭(キム・ヨンジン)会長(73)は、窓の外を眺め、しばらく言葉を止めた。1965年に詩人として登壇した金会長は、韓国雑誌協会長(1995~97年)、韓国キリスト教出版協会長(2000年)などを経た出版界の生き証人である。しかし、最近出版した一冊の本を、彼は、「今まで生きてきた理由だ」と言い切った。ほかならぬ20年以上に渡って聖書1189章を詩で綴った「聖書の歌」(写真)だ。

金会長が聖書全体を詩で作ってみたいと決心したのは1960年代からだ。当時、詩人の朴木月や黃錦燦などが参加した韓国キリスト教文人協会で、「時を作って楽しくキリストを歌おう」(詩篇95章2節)を実践してみようという意見が交わされた。しかし、いくつかの事情でなかなか進まなかった。結局、メソジスト神学大学大学院を卒業した彼は、1998年から膨大な作業に取り掛かった。

「ほぼ毎日午前9時に出勤して、午後9、10時まで励みました。他のことも多かったですが、私の本業はこれだと信じて疑いませんでした。あまりにもきつかったので、さまざまな病魔に苦しんで、家族も必死になって止めました。しかし、世界のキリスト教史にも例のないことをこの地で実現しようという使命感が私を奮い立たせました」

こうして世に出た「聖書の歌」は、ページごとに真心が込められている。今回出た1巻は創世記・出エジプト記など、モーセ五書を一枚一枚詩で綴った。これを「賛美歌研究の大物」であるオ・ソウン牧師がそれによく合う賛美歌に合わせ、イラストレーターのキム・チョンジョン氏が、それに合う絵を描いた。金会長は、「二人もの人間がこの作業に少なくとも7年以上ずつをつぎ込んだ」と伝えた。本の監修を担当したミン・ヨンジン博士(元メソジスト神学大学教授)は、「膨大な内容を詩と歌でまとめたのも素晴らしいが、正確な文脈を把握して、誰でも分かりやすく作成された膨大な役事だ」と評した。

「聖書の歌」は、来年までに5巻全てを刊行することを目指している。金会長は、「完成するまで健康だけでも維持できればと思う」とし、「胸の詰まる試みなので恐れも大きいが、福音伝道の小さな一粒の麦になってほしい」と語った。



丁陽煥 ray@donga.com