ジョコビッチは7日、全仏オープン男子シングルス準々決勝でドニミク・ティエムに0-3(6-7、3-6、0-6)で完敗した。ジョコビッチが4大大会で、この日の第3セットのように「ベーグル」(0-6)を喫したのは2005年の全豪オープン1回戦以来で12年ぶりのことだ。
この日の敗北でジョコビッチは来週に発表される世界ランキングで、今大会ベスト4に勝ち上がったラファエル・ナダル(31=スペイン)に2位の座を明け渡すことになった。ジョコビッチが世界3位以下に落ちるのは2011年3月21日に2位になって以来289週ぶりのこと。
ジョコビッチは2015年のウィンブルドンから昨年の全仏オープンまでの4大大会で、次々とそれぞれの大会を制した。いわゆる「ノバクスラム」と呼ばれる記録を達成したジョコビッチだっただけに、その全盛期がこんなにも早く終わるのは想定外のことだった。
昨年のウィンブルドン3回戦で敗退したときも、大記録達成の後遺症という見方が一般的だった。すぐ次に開催された4大大会だった全米オープンで準優勝し健在ぶりを示したからだ。しかし、今年の全豪オープン2回戦で敗退し、全仏オープンでも8強に止まり、ジョコビッチの衰退を否定できなくなった。
問題は、ジョコビッチを世界最高のテニス選手に導いたバックハンドが思うようにいかないのだ。今回の全仏オープンを欧州にテレビで中継している「ユーロスポーツ」は、「ジョコビッチがボールについていけずバックハンドでボールにきちんと回転をかけることができなくなっている」とし、「昨年の全仏オープンではバックハンドで打ち返したボールのうち20%は1分間あたりの回転数(PPM)が2000を超えたが、今年の全豪オープンではそれが2%に激減した」と分析した。
ジョコビッチは今大会を控えてアンドレ・アガシ(47=米国)をコーチに迎えたと発表したが、アガシ―は大会の2週目が始まると会場を去った。凋落を止めてくれるブレーキが見つらなければ、ジョコビッチの衰退はさらに加速化する可能性もある。
黃奎引 kini@donga.com