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リオ五輪マラソンで139位、カンボジア代表で走った日本のお笑いタレント瀧崎邦明さん

リオ五輪マラソンで139位、カンボジア代表で走った日本のお笑いタレント瀧崎邦明さん

Posted September. 13, 2016 08:53,   

Updated September. 13, 2016 09:34

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「韓国選手が私と比較されて批判を受けているというニュースを聞いて残念です。ともに頑張ろうと言いたいです」

先月21日、ブラジル・リオデジャネイロ五輪の男子マラソンで優勝者に劣らず話題を集めた選手がいた。日本のお笑いタレントでカンボジアに国籍を変えて出場し、140人中139位でゴールした瀧崎邦明さんが主人公だ。韓国代表のシム・ジョンソプは131位、ソン・ミョンジュンは138位で完走した。国内では「国家代表が39才のお笑いタレントとブービー争いをした」という批判が溢れた。

7日、東亜(トンア)日報東京支社で会った瀧崎さんは、「偶然、私が後ろにいただけです。これからも練習すれば、明らかにもっと良い結果が出るでしょう」と韓国選手を励ました。

身長147センチの瀧崎さんは、日本で「猫ひろし」という芸名で活動している。学生時代、マラソン選手だった瀧崎さんは、2008年にテレビ番組の挑戦企画で「東京マラソン完走」を達成し、マラソンに目覚めた。当時の記録は3時間48分。瀧崎さんは、「トイレに4回行かなければ世界記録が出た」と冗談を言った。

瀧崎さんの五輪出場は、2009年のあるバラエティ番組の出演がきっかけになった。出演者が人気のなかった瀧崎さんをスターにするために「東大に入れよう」、「選挙に送り出そう」と冗談まじりのアイディアを出し合った。そしてある1人が「国籍を変えて五輪に出場させよう」と言った。真剣に考えた瀧崎さんは、自分が代表になれる国を探し、2011年にカンボジアに国籍を変えた。

2012年のロンドン五輪の出場を狙ったが、「国籍を取得して少なくとも1年が経過しなければ五輪に出ることはできない」という国際陸上競技連盟(IAAF)の規定のため、実現しなかった。瀧崎さんは4年後を準備した。毎年3、4ヵ月カンボジアに行って練習をした。カンボジア語も学んだ。

瀧崎さんは、「日本でお笑いタレント活動をする時は、毎日30キロ走った。ランニングウェアを持ち歩き、撮影場や自宅、事務所の間を走った」と話した。そのおかげで4年間ずっとカンボジアの国内予選で1位を記録した。2014年には仁川(インチョン)アジア大会を最下位で完走した。30代後半だが記録が伸び続け、今年2月の東京マラソンでは自身の最高記録(2時間27分)を達成した。

リオ五輪のマラソンには155人が出場し、140人が完走した。瀧崎さんは「ゴール2キロ手間で後ろを走っていたヨルダン選手が肩をたたいて『もう少し頑張ろう』と言って追い抜いていった。カンボジアの選手たちが見ていると思って頑張って抜き返した」と振り返った。瀧崎さんは完走後、ヨルダン選手と抱き合って喜びを分かち合った。

瀧崎さんが競技を終えて新しい祖国「カンボジア」を連呼する姿が世界に流れた。瀧崎さんは、「世界にカンボジアを伝えてくれてありがとうと多くの人から言われた」と話した。また、「リオの観衆や日本やカンボジアから応援を受けた。国籍を離れ純粋に努力する人を応援するのが五輪だと思う」と強調した。

今後の計画については、「限界まで努力して良い記録を出したい。できるなら2020年の東京五輪にも出場したい」と意欲を燃やした。また、「カンボジアに恩返しするために、現地選手のマラソンの練習を支援する」と明らかにした。



도쿄=장원재특파원 東京=チャン・ウォンジェ特派員 peacechaos@donga.com