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「左足のスペシャリスト」権昶勳が帰って来た

「左足のスペシャリスト」権昶勳が帰って来た

Posted March. 19, 2019 07:48,   

Updated March. 19, 2019 07:48

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京畿道坡州(キョンギド・パジュ)にあるサッカー代表チームトレーニングセンター(NFC)の本館に向かって歩いて来た権昶勳(クォン・チャンフン=25、ディジョンFCO、写真)はちらっと腕時計を見た。瞬間驚いた表情で走り出した。代表チームの招集時間は18日午後3時までだったが、この日フランスから帰国した権昶勳は、航空便の事情で15分遅れた。遅刻で焦っていたものの、久しぶりに訪ねたNFCの風景を目にしては笑みがこぼれた。太極(テグク)マークを付けてNFCで走り回った時のことが懐かしくなったような顔だった。

権昶勳は、「久しぶりに来たので気持ちが引き締まる。新人になった感じだ」と話した。持前の鋭い左足キックで「左足の達人」と呼ばれる権昶勳(国際Aマッチ16試合4得点)は、ウリ・シュティーリケ監督や申台龍(シン・テヨン)監督の代表チームで主力として活躍した。ところが昨年、ロシア・ワールドカップ(W杯)参加が有力視される中、所属クラブでの試合(昨年5月)でアキレス腱が断裂する負傷で代表落ちした。権昶勳は、「言葉では言い表せないほど悔しい瞬間だった」と振り返った。

権昶勳は、手術とリハビリを経て昨年12月にピッチに復帰した。今季にディジョンで16試合(2得点)に出場し、調子を上げてきた権昶勳は、2018年3月以降、約1年ぶりに代表チームに復帰した。パウロ・ベント代表監督は、「技術が良い権昶勳は、チームにプラスになる選手だ。彼が負傷する前の全試合の映像を何度も見た」と言い、期待感を示した。

権昶勳は、攻撃的MFとサイドアタッカーとをこなせるマルチプレーヤーだ。また左足のキックが優れているため、セットプレー(CKキックなど)でのキッカーとしても使える。その間、テレビなどを通じて代表チームの試合を見ながらイメージトレーニングをしてきた。権昶勳は、「支配率を高めて攻撃の組み立てでの繊細さを強調するベント監督の戦術は、自分も好きなスタイルだ」と話した。

専門家たちは、権昶勳が合流したことで相手の密集した守備に苦戦してきた代表チームの攻撃力が強化されるものと期待している。キム・デギルKBSN解説委員は、「権昶勳は個人技で相手守備を崩せる能力がある。積極的に敵陣に切り込んで相手守備を連れ回せば、孫興民(ソン・フンミン=トッテナム・ホットスパー)らがフリーになってシュートできるスペースを作ることができる。また、相手守備が枠内に密集しているとき、権昶勳が強力なミドルシュートでゴールを狙うことも可能だ」と話した。

代表チームは、ボリビア(22日)、コロンビア(26日)と親善試合を行う。奇誠庸(キ・ソンヨン=30、ニューカッスル)らベテランMFが代表引退している中で、「即戦力」と起用できる権昶勳が、その空白を埋めなければならない。権昶勳は、「苦しい時間を耐え抜いたので、成熟したプレーでチームに役立てたい」と語った。


鄭允喆 trigger@donga.com