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LGの新主将になった金賢洙

Posted December. 05, 2018 08:55,   

Updated December. 05, 2018 08:55

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今季の金賢洙(キム・ヒョンス=LG、30)は「打撃マシーン」の異名に相応しい活躍で2006年のプロデビュー以来最高の打率(.362)と最高の長打率(.598)を記録した。とくに得点圏で4割(.419)と満塁で8割(7打数6安打2本塁打)の打率を見せ、抜群の決定力を発揮した。国内復帰シーズンの華麗なる成績だ。だが4日、蚕室(チャムシル)球場で取材に応じた金賢洙は、「個人の成績は良ったけど、チームに役立てたかはよく分からない」と冷めた顔をした。

「善かれ悪かれ最後まで一緒にいるべきだったけど、残念です。自分はリハビリをしたことがないので、1ヵ月半が退屈でならなかったですね。早く復帰したい気持ちが強くて、少し回復したと思ったらすぐ何かをやってみようとしたらまた痛くなって…。自分もケガするんだなと思いましたね。いつも健康は自然とついてくるものと思っていたので、そうじゃないことを教えられたわけです(笑)」

9月4日(KT戦)に足首をケガした後、金賢洙はシーズンの残り試合をテレビで見なければならなくなった。日頃から仕事も趣味も野球だと言ってきた金賢洙に「視聴者」になった気持ちを訊いた。「全チャンネルを回しながら野球ばかり見ていますね」。他人事になったポストシーズンも全部見たという。「野球が好きだから、家にいる時野球をやっているとみてしまう」という彼に、チームがポストシーズンに進出できなかったから愉快な気持ちではないのではないかと訊くと、「愉快でなくても野球はやらなければならないですからね」と言う答えが返ってきた。

これからの金賢洙は、新シーズンの主将としてチームをリードする。「(主将は)予想しなかったですね。このチームに入って1年しか経っていないおで、選手たちが納得してくれるのか少し心配もありました。LGの伝統をしっかり引き継ぐことができるだろうかという不安もあるけど、(LGに)長年在籍していた選手が多いので聞いてみたいと思っています」。

柳仲逸(リュ・ジュンイル)監督がLGの長年のライバルチーム出身の金賢洙に入団1年で主将に任せたのは、今年誰よりも率先してLGのベンチとグラウンドを盛り上げたからだ。金賢洙は、ベンチではLGで10年間プレーした選手のように元気を吹き込み、グラウンドではデビューしたばかりの新人のように走った。

斗山時代から金賢洙は、競技場の中と外でよく「番長」役を買っていた。彼は、「(後輩たちを)いじめますね。説教もよくするし。(LGでも)馴染むのに長い時間はかからなかなたんです。後輩たちが良く話しかけてくれたので、すぐ打ち解けましたね」と笑顔で語った。

2008年以来10年ぶりに打撃王に返り咲いた金賢洙は、野球人生で忘れられない瞬間に、誰もがうらやましく思うメジャーリーガー時代ではなく、切々と努力の必要性を気づかされた「育成選手」時代を真っ先に挙げた。

「最初はすべてを諦めたかったんです。プロの新人指名で青少年代表選手たちが勢揃いしていた中で、自分だけが指名されなかったんです。家に帰って父に『練習生でも取ってくれる球団がある時に行って、できることできないこと全部やってみて、一打席でも1軍に行けたら最後までやって、ダメだったら違う道を選ぼう』と話したんです」

常に初心を忘れまいとしている金賢洙は、2008年の北京五輪金メダルと2015年の斗山の韓国シリーズ優勝など頂上に立った記憶は今もしびれるという。すでに「体はほぼできている」と言う金賢洙は、主将としてLGとの忘れられない思い出作りに挑戦する。


任寶美 bom@donga.com