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2018アジア大会に臨むアーチェリー韓国代表、その凄まじいまでの道のり

2018アジア大会に臨むアーチェリー韓国代表、その凄まじいまでの道のり

Posted July. 21, 2018 08:46,   

Updated July. 21, 2018 08:46

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硬く閉ざした唇に当たった。弦から離れた矢は、うだるような空気をしなやかに割った。連続の「テン」(10点)、「テン」「テン」。流れ落ちる大粒の汗の実りと言わんばかりに、矢はまるで磁石に引かれるようにターゲットのど真ん中に突き刺さった。

忠清北道(チュンチョンブクト)にある鎮川(チンチョン)選手村のアーチェリー練習場。ソウルから車で2時間あまりで着く場所だが、ここに入れるまで丸7ヵ月もかかった選手たちがいる。チャン・ヘジン(31=LH)、イ・ウンギョン(21=順天)、カン・チェヨン(22=慶煕大学)、チョン・ダソミ(28=現代百貨店)、キム・ウジン(26=清州市庁)、イ・ウソク(21=国軍体育部隊)、オ・ジンヒョク(37=現代製鉄)、イム・ドンヒョン(32=清州市庁)。来月開幕の2018ジャカルタ・パレンバン・アジア大会に出場するアーチェリー韓国代表の8選手(男女4人ずつ)だ。

「大韓民国のアーチェリー代表になるのは、オリンピックで金メダルを取ることより難しい」とも言われている。これまでの4回にわたる選考会で、彼らが射た矢は1人当たり計4055射。70メートル離れたターゲットに刺された矢の点数を確認するために歩いた距離は、1人当たり実に182キロ(往復140メートル×1300回)に上る。選手たちが使う弓の張りは平均44ポンド(20キロ)。弦を引くたびに20キロのコメを数秒間宙に浮かしていることになる。このため、アーチェリーは度胸が強くなければならないのはもちろんのこと、強靭な体力が欠かせない。

右肩に小さな太極(テグク)マークを付けるまでの道のりは、凄まじいまでの険しいものだった。その始まりは昨年9月だった。現役の代表選手を除いて総合選手権への参加資格を持つ男女279選手(リカーブ部門)が1次「在野」選考会に参加した。二日間、36射ずつ8回にわたって対決を繰り広げ、64人に絞られた。それから2ヵ月後に実施された選考会では、先の選考会で生き残った選手に代表常備軍が加わり、6日間、11回の試合を行う。合格者は24人に減った。

3次選考会からは現役の代表選手16人がレースに合流した。五輪金メダルだけで3つ、銅メダル一つを保有しているキ・ボベ(30=光州市庁)と「在野」選考会を勝ち抜いた2016リオデジャネイロ五輪2冠のク・ボンチャン(25=現代製鉄)が次々と脱落した。

エントリーを決める最終選考会ではリオ五輪団体戦金メダリストで現役代表のチェ・ミソン(22=光州女子大学)まで苦杯を飲んだ。ここまでで、選出された選手は40人から16人に絞り込まれ、最終的に(男女4人ずつの)8人が確定した。

今回最終順位3位でアジア大会代表に選ばれたカン・チェヨンは、リオ五輪の最終選考会で1点差の4位となって脱落した。(五輪代表エントリーは男女3人ずつ)。当時3位は、2012ロンドン五輪代表選考会で4位で脱落したチャン・ヘジンだった。2年前にチャン・ヘジンが選考会が終わったとたん、カン・チェヨンに「お疲れ様」と心からのいたわりの言葉をかけた理由だ。

代表チームの最年長で韓国初の五輪(ロンドン)男子個人戦金メダリストのオ・ジンヒョクも2年前にはリオ行きの飛行機に乗れなかった。

最終的に男女4人ずつの代表メンバーが決まったが、これでメダル挑戦の機会が保障されたわけではない。アジア大会には団体戦3人、個人戦2人、混合戦に男女1人ずつが出場するからだ。本大会に出場する選手は、大会前のテストマッチと3度のワールドカップ(W杯)はもちろんのこと、アジア大会予選までを終えた後に決まる。リオ2冠のチャン・ヘジンも、男子世界ランキング1位のキム・ウジンも油断は禁物だ。

「タソミが選手村に来たとき、『オリンピックチャンピオン(リオ五輪2冠)は先輩だけど、アジア王者は私ですよ』と言ったいた。(笑)選考戦は、まだ続いている」

2014仁川(インチョン)アジア大会でチョン・ダソミに個人戦金メダルを譲ったチャン・ヘジンの話だ。世界最強の韓国のアジア大会での全種目席捲を最も大きく脅かしているのは韓国人コーチを招へいするなど大々的な投資で技量が急成長した日本だ。今年5月、トルコのアンタルヤで開催されたアーチェリーW杯の混合決勝で韓国は日本に敗れた。

しかし、韓国アーチェリーの自信は変わっていない。パク・サンド女子代表監督は、「金銀銅メダルを韓国が総なめすることが多いためか、今回のアジア大会で個人戦に出場する選手は、国別に2人に制限された。このため、銅メダルは他国に譲歩することにした。目標は全種目の金メダルだ」と抱負を語った。

アーチェリー代表は、今週にドイツ・ベルリンで開かれているW杯第4戦に出場し、実戦感覚を磨いている。


任寶美 bom@donga.com