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フランス対ベルギーの準決勝、最大の注目人物はコーチとして祖国と戦うアンリ氏

フランス対ベルギーの準決勝、最大の注目人物はコーチとして祖国と戦うアンリ氏

Posted July. 10, 2018 10:12,   

Updated July. 10, 2018 10:12

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「ティエリ・アンリが練習場を間違えて行ったことに気づけば幸せになりそうだ」(フランス代表FWオリビエ・ジルー)

「俺たちは伝説(アンリ)とともにフランス戦を準備している。彼の指導がチームをさらに成長させるだろう」(ベルギー代表FWロメル・ルカク)

ロシア・ワールドカップ(W杯)優勝候補のフランス対ベルギーの準決勝(11日午前3時)が妙な運命に置かれたティエリ・アンリ氏(41・写真)に注目が集まっている。アンリ氏(国際Aマッチ123試合51得点)は、フランスを1998年のフランスW杯優勝にけん引した生きるレジェンドだ。しかし、今大会はベルギー代表コーチとして参加し、チームを決勝に導くためには母国フランスを破らなければならない状況にある。

ベルギーは、フランス選手たちの癖などに詳しいアンリ氏の決定的なアドバイスなどを通じて勝利をもたらすことを期待しているのに対し、フランスはアンリ氏を決勝進出のハードルに挙げている。速い足と優れた決定力で「第二のアンリ」に浮上したキリアン・ムバッペ(フランス)は、「アンリは私に霊感を吹き込む人だ。彼が相手チームのベンチに座っているのを見ると、妙な気持ちになりそうだ」と話した。

準決勝を控えたベルギーの練習場で、すべてのメディアの視線はアンリ氏に注がれている。英紙ガーディアンは、「記者たちがアンリにインタビューを求めたが、アンリは試合の見通しや祖国と対戦することへの感想については話そうとしない」と報じた。アンリ氏は、自身の発言が選手たちの心理に影響を与えることを懸念している。アンリ氏は「準決勝は『ティエリ・アンリのショー』ではない。私は監督を助けるために、ここにいるだけだ」という言葉だけを残した。

ベルギーがベスト4まで快進撃を続けている背景には、アンリ氏の役割がある。アンリ氏は、練習場から選手たちに負けない情熱を見せている。100メートルを11秒台で走り切るスピードは、いまだに現役選手たちとの全力疾走対決でも最速を誇っている。ボールの奪い合い練習をするときも優れた技術を持つアンリ氏は、ボールを奪われない。ガーディアンは、「コーチがベスト11の選手ほど激しく練習している。一見、激しいダイエットをしている人のようだ」と練習場の様子を伝えた。

2016年からベルギー代表のコーチを務めているアンリ氏はFWルカクとエデン・アザールを集中的に指導した。アンリ氏とともに試合映像を見て相手チームのゴール前での動きや守備の裏に切り込み方について学習したルカクは4ゴールを、アザールは2ゴールを決めた。ルカクは、「アンリは私たちに難しい注文をたくさんする。しかし、それをクリアする度に成長している自分に気づく」と話した。アンリ氏はベルギーのセットプレー戦術も担当している。

ベルギーサッカー協会は決勝進出の如何とは関係なく、アンリ氏との契約延長を検討している。同協会の関係者は、アンリ氏の存在自体が選手たちに勇気を吹き込んでいると伝えた。同関係者は「選手たちは、2年前に宿舎でアンリと初顔合わせをした時から目色が変わった。ユース時代にアンリのブロマイドを部屋に貼ってプロへの夢を育んだ選手もいる。世界トッププレイヤーから指導を受けていると思うようになってから、チームの精神力と競技力のすべてが良くなった」と話した。


鄭允喆 trigger@donga.com