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申台龍号のパスマスター・奇誠庸「憂慮の視線が自分を鍛えさせる」

申台龍号のパスマスター・奇誠庸「憂慮の視線が自分を鍛えさせる」

Posted May. 22, 2018 10:45,   

Updated May. 22, 2018 10:45

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「ワールドカップ(W杯)最終予選から強化試合まで苦しい場面が多かった。おそらく、わがチームは、これ以上落ちるところがないだろう。だからこそ、同僚たちも、今後は上がることしか残っていないと考えてもらいたい」

サッカー韓国代表チームの主将、奇誠庸(キ・ソンヨン=29)はロシアW杯本大会で2度目の海外大会16強入りを目指す代表チームにとって最も重要なのは自信感だと言い切った。21日にW杯出陣式が開催されたソウル広場で取材に応じて奇誠庸は、「代表チームを憂慮する視線が、自分をもっと強く鍛えている」と話した。その上で、「まだ試合でぶつかってもいないのに、びびる必要はない。プロ選手としてのプライドがあるのだから、強豪たちとぶつけてみたいという気持ちでW杯を楽しむべきだ」と語った。

国際サッカー連盟(FIFA)ランキング61位の韓国は、W杯本大会のF組でドイツ(1位)、メキシコ(15位)、スウェーデン(23位)ら強豪と対戦する。代表チームが「アンダードックの番狂わせ」を演じるためには、守備を固めて鋭いカウンターでゴールを狙うべきだ。その際に重要なのが奇誠庸の鋭いパスだ。サッカーデーター解析を専門とするビジュアルスポーツによると、昨年に国際Aマッチで奇誠庸のパス成功率は95.24%だった。

ハン・ジュンヒKBS解説委員は、「プレーメーカーとしての奇誠庸は、後方と前線を問わず。パスを使って決定的な得点機を生み出す代表チームの攻撃の中核だ」と評価した。奇誠庸の父、キ・ヨンオク光州(クァンジュ)FC団長は、「誠庸が子供の時から『他人と同じようなパスをしては成功できない』と言い聞かせた。息子に、創造的な縦パスを強調したが、誠庸は休みの日にもグラウンドでキックの練習をしながらパス能力を磨いた」と話した。また、「誠庸は両足で良好なパスを出すことができる。左足はコ・ジョンス(現大田監督)の左足キックを真似しなければならないと教えた結果だ」と話した。

奇誠庸は、自身のパスをゴールにつないでくれる選手に孫興民(ソン・フンミン=26、トッテナム・ホットスパー)を挙げた。奇誠庸は、「興民は、代表メンバーの中で一番脅威的な形で敵のゴールに攻め込む選手だ。このため、MFとしてパスを出しやすい」と話した。また、「これまで代表チームの試合で孫興民とのパスプレで良いゴールを決めたことが多い。今回のW杯でも、私のパスと孫興民の動きでゴールを生み出したい」と笑顔で語った。

W杯出陣式で主将らしく頼もしい姿を見せたが、家族には主将としてのプレッシャーも打ち明けたという。前日に奇誠庸と昼食を共にした奇団長は、「誠庸が権昶勲(ディジョンFCO)が負傷したという話を聞いて心配していた」と伝えた。権昶勲は20日、フランスリーグでアキレス腱が断裂し、代表チームに合流できなかった。奇誠庸は英国で生活するときもスマートフォンなどで検索しながら代表メンバーたちの試合結果や体調などをチェックするなど「管理者」としての役割も果たしている。奇誠庸は、「仲間たちがケガをするのは主将としてどうにもならないことなのでつらかった」と話した。また、「ケガをした選手たちの分まで、もっと走らなければならない。イ・スンウ(20=ベロナ)など新しく選出された選手たちは代表チームにプラスの活力を吹き込んでくれることを期待する」と話した。
· monami@donga.com