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平昌五輪、施設の大会後の利用は?

Posted February. 28, 2018 09:11,   

Updated February. 28, 2018 09:11

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お祭りは成功だった。だが、これから必ず解決しなければならない課題が残っている。国際オリンピック委員会(IOC)や各国選手たちから好評を受けた競技場施設の大会後の利用問題だ。

今月9日から25日までに開催された2018平昌(ピョンチャン)冬季五輪で、韓国選手団は過去最多となる6種目で最多メダル(17個)を獲得できたのも、立派な会場があったからだ。だが、大会後の利用については、未だに対策が設けられていない。ややもすれば年間数十~数百ウォンの血税がつぎ込まれることになりかねない。政府と江原道(カンウォンド)、平昌冬季五輪組織委員会、各競技団体が解決方法を模索しているが、今まで対策は見つかっていない。

●年間数十億ウォンの赤字も

平昌五輪が開催された12会場のうち管理主体が決まっていないのは4会場。そのうちの一つ、旌善(チョンソン)アルペンスキー場は当初の計画通り原状に戻す予定だ。数日間の競技のために2064億ウォンを投じて作ったが、原状に戻すためにも1000億ウォン近い費用がかかりそうだ。この施設を残す場合、年間約37億ウォンの維持費が必要となる。

管理主体が決まっていない江陵(カンヌン)スピードスケート場と江陵ホッケーセンター、アルペンシア・スライディングセンターは、国歌代表の練習施設などで利用するという大原則だけが決まっている。しかし、維持費が問題だ。江原道が韓国産業戦略研究院に依頼して検討した結果によると、江陵スピードスケート競技場を維持するだけで年間22億5400万ウォンが必要だという。江陵ホッケーセンターとスライディングセンターは、それぞれ年間21億4300万ウォンと9億ウォンがかかる。

施設の実質的な所有権者である江原道は、国費の増額を要求している。だが、政府は受け入れ難いとの立場だ。

競技場建設の際、江原道と政府はそれぞれ75%と25%の費用を負担した。江原道は維持費でも同じような割合の負担を要求している。だが、企画財政部は、江原道の希望とは逆に、国費25%、地方費75%を主張。最近は50%ずつを負担するところまで譲歩できるとの立場を示しているという。

江陵アイスアリーナと江陵カーリングセンターの管理主体である江陵市も名乗りを上げた。チェ・ミョンヒ江陵市長は26日、「国費と道費を一定規模以上支援してくれれば江陵市が直接運営する問題を積極的に検討したい」と主張した。だが、国税か地方税かの違いがあるだけで、施設維持のために国民の税金が使われることには変わりない。

●費用負担を求める自治体、具体的な利用方法は見えず

平昌五輪の施設の大会後の利用方法を巡る議論が空回りしている最大の理由は、施設は溢れているのに対し、これを実際に利用する人がいないからだ。

スピードスケート競技場やアイスアリーナ、ホッケーセンターなどはいずれも多目的スポーツ・レジャー施設、もしくは文化公演会場として利用される予定だ。競技場の性格は大きく変わらないのだが、利用目的は同じだ。2017年末現在、江陵市の人口は21万3952人。江陵市民が積極的に利用することを想定しても、施設は有り余る構造だ。

李煕範(イ・ヒボム)平昌五輪組織委員長は、「2022年の五輪が北京で開催されるのだが、そのとき、平昌と江陵の立派な施設が積極的に使われるよう努める」と話した。崔文淳(チェ・ムンスン)江原道知事も「2021年の冬季アジア大会を招致する方向で進めたい」との構想を明らかにした。

だが、このようなイベントは財政面で大きなプラスにはならない。米国のソルトレークシティやカナダのカルガリーなどの五輪施設は、一年中住民たちの利用が絶えない。黒字を出している施設もあれば、赤字の場合も自治体に大きな負担にならない水準だ。

スケート界の関係者は、「3年前に分散開催の話が持ち上がったとき、いくつかの施設を首都圏や江原道内の他の都市に招致していたら、今のような難しい状況は回避できただろう」と話した。


李憲宰 uni@donga.com