Go to contents

THE DONG-A ILBO Logo

五輪史上初、全世界の視聴者に五輪競技をVR映像で配信 OBSのCEOが語る平昌の五輪中継

五輪史上初、全世界の視聴者に五輪競技をVR映像で配信 OBSのCEOが語る平昌の五輪中継

Posted January. 10, 2018 09:47,   

Updated January. 10, 2018 09:57

한국어

平昌(ピョンチャン)冬季五輪大会中に世界の人々の目になってくれる国際放送センター(IBC)が9日オープンした。国際オリンピック委員会(IOC)傘下団体のオリンピック放送(OBS)は昨年11月1日から大関嶺(テグァルリョン)の厳しい風の中で放映権を獲得している世界各国の放送局の放送装備の設置を開始し、約2ヵ月で放映権を獲得している全世界86の放送局を迎える準備を全て終えた。

IOCが五輪で稼ぐ収入の約50%は放映権料と中継権料から出る。このため五輪の成功はテレビ中継の成功と直結している。IOCは、すでに2017年から2020年(中継権は夏季と冬季五輪をセットにして4年単位で長期契約)の五輪中継権料の販売で過去最高の45億ドル(約4兆8060億ウォン)の収入を挙げた。

五輪中継を総括するOBSは、全世界の放送局が集まるIBCの設営から競技の撮影、映像の配信、閉会後のIBCの解体までの全過程を引き受けている。OBSが設立される以前は開催国の組織委員会がホスト放送局を運営したが、2001年にOBSが正式にスタートしてからは、開催国の財政負担が減った。OBSは五輪の全試合と表彰式の映像を放映権を獲得した放送局に配信し、これを通じて五輪は全世界の人々に伝わる。平昌五輪は全世界の220の国と地域で放送される。

平昌五輪は、果たしてどんな形で世界の人々に伝わるのだろうか。平昌五輪の中継に関連して、気になることをOBSの最高経営者、ヤニス・エクサルコス氏(54=ギリシャ、写真)に電子メールで話を聞いた。

――平昌には誰がどれだけ来るのか。

「OBSには32ヵ国出身の計162人の正社員がいる。職員たちは、五輪を平均6回経験しているベテランたちだ。五輪大会中は、さらに全世界から最も実力のある経験豊富な放送関係のフリーランサーを雇用する。主にエンジニア、制作、貨物、放送支援、情報などの専門家たちだ。2017年11月を基準に、OBSで平昌に派遣された人員は計4325人。この中には放送トレーニングプログラム(BTP)に選ばれた韓国の大学生700人も参加する。BTPは開催国にOBSの放送レガシーを残そうという趣旨で始まった。開催国の複数の大学と連携して選ばれた大学生たちは、世界最大の放送中継がどう行われるのかを現場で見て学ぶことができる。選ばれた学生たちは、音声やカメラのアシスタント、連絡係などとして現場に投入される。もちろん有給だ。職員たちは、組織委員会が提供するメディアビレッジや周辺のホテルに宿泊する。

OBSが単独で全種目の中継映像を制作するのは限界があるため、放映権を得た各国の放送局が試合のメイン中継を行うこともある。韓国の放送局も、韓国の「お家芸」種目であるショートトラックをOBSに代わって代表中継を行う。

――平昌のIBCの特徴を紹介して欲しい。

「アルペンシアリゾートの向かい側に位置した平昌IBCは、五輪史上初めて山間部に設置されたIBCだ。以前の冬季五輪では、海岸や都心部、もしくはスケート競技場の周辺に設置された。「持続可能な五輪」をモットに、OBSはリオデジャネイロ五輪のIBCに使われたモジュールを再利用した。組み立て式のパネルを含め5万㎥のゴミの発生を防いだのだ」

――平昌五輪の中継は、過去とはどう違うのか。

「冬季五輪中継史上初めて平昌五輪では全世界の視聴者が高画質の仮想現実(VR)中継を見ることができる。OBSはVR中継とともに広い視野を伝えるパノラマ映像も制作し、各国の放送局に販売する予定だ。五輪大会中、少なくとも55時間以上のVR生中継が行われる。VR放送は、三星(サムスン)ギャラクシー・ギアVR、デイドリーム、ウィンドウズ・ミックスドリアリティ、iOS、アンドロイド、インターネット、ソーシャルメディアから見ることができる。OBSは多様な種目のVR生中継とハイライト映像を配信しようと努力するだろう。開閉会式を含め、アルペンスキー、カーリング、スケレトン、ショートトラック、スキージャンプ、スノーボードなど少なくとも1日に1種目以上の競技がVRで制作されるだろう。とくにボブスレーは、冬季五輪では初めてワイヤレスのオンボード・ポイント・オブ・ビュー(POV=一人称の主観映像)カメラを使う。第5世代(5G)技術を使って伝えるPOVカメラの映像は、生々しいリアルなスピード感を伝えるだろう。もちろん、OBSは今後、他の種目でもPOVを使えるよう検討を進める」

――増大したソーシャルメディア(SNS)のニーズに対するOBSの対策は。

「デジタルプラットフォームと技術の進歩は、スポーツ観戦を革命的に変化させた。もはやテレビの放送時間や放送カメラの台数の問題ではなく、コンテンツの重要性が強調されている。デジタル時代の核心はストーリテーリングだ。SNSでつながっている視聴者の変化に合わせて、OBSも若者たちをスポーツ中継の中心消費者層に引き付けることを目指している。そのためにOBSは五輪を放送する放送各局に、ソーシャルメディアで使えるさらなる資料を提供する予定だ。データの解析や多様な角度、スーパースローモーション、360度リプレー技術などがそれに当たる。ソチ大会から販売しているオリンピック・ビデオプレーヤー(OVP)も引き続き提供する。コンピューターはもちろんのことタブレットPCやスマートフォンでリアルタイムでの中継と見逃した競技が視聴できるサービスだ。

――これまで多くの五輪を経験したが、もっとも印象深い記憶は。

「一つを選ぶとすれば、おそらく2016年のリオ五輪の難民選手団だろう。オリンピック精神の原点を問いかけた難民選手団は、逆境に立ち向かう驚くべき力を見せつけ、世界の人々が見守る中で不可能を可能にした。

――平昌五輪でOBSが最も期待していることは。

「韓国の美しい自然風景や文化、人々を世界に伝えることだ。また、国際情勢が混乱している中で、平昌が世界に平和をもたらせるスポーツの力を見せ付けるイベントになることを願っている」



任寶美 bom@donga.com