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Kリーグ全北のキム・ミンジェ、「怪物DF」の異名でW杯代表を目指す

Kリーグ全北のキム・ミンジェ、「怪物DF」の異名でW杯代表を目指す

Posted August. 10, 2017 09:29,   

Updated August. 10, 2017 09:35

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高校時代にも彼は圧倒的に体格の大きな選手ではなかった。身長(188センチ)は高かったが、体重は78キロで球際の争いが激しい中央DFにしては細いタイプだった。2015年に延世(ヨンセ)大学に進学し、4年生の攻撃陣を相手しながら限界にぶつかった。パワーで押されていると感じ、1年間体重を増やすと同時に毎夕、筋トレ―をした。体重が88キロになり、筋肉もついた。お陰で2年生の時からは頑丈な体格を活かして球際の争いなどで相手を制圧する選手になった。プロサッカーKリーグクラシック(1部)、全北(チョンブク)のキム・ミンジェ(21)が「怪物DF」として注目を集めるようになった時だった。

その頃、キム・ミンジェは「早くプロデビューを果たして競争力をつけたい」と思った。そのために左腕に「夢見ることを止めるな。時間は待ってくれない」と言う意味のタトゥーも入れた。結局、大学を中退して実業リーグであるナショナルリーグのクラブで6ヵ月をプレーした後、普段彼に注目していた崔康煕(チェ・ガンヒ)全北監督によって抜擢された。

ベテランDFで組まれた全北で、キム・ミンジェは今シーズンにデビューを果たしてから、すぐレギュラーの座をつかんだ。全北が行った25戦のうち23戦に出場し、元代表のチェ・チョルスンらとともに協力なDF陣を築いている。クラシック首位の全北はキム・ミンジェが活躍する中、リーグ最少失点(22失点)を記録している。9日、完州(ワンジュ)郡の全北クラブハウスで会ったキム・ミンジェは、「練習の時、相手する選手が李東国(イ・ドングク)や金信旭(キム・シンウク)などリーグ最高のストライカーたちだ。そういう先輩たちをマークしてから実戦に出ると、より楽に守備ができる」と話した。年は若いが、練習ではひるむことなく先輩たちからボールを奪うために飛び込むキム・ミンジェのことを、チームの先輩たちは「優良児童」と呼ぶ。

崔監督の厚い信頼は、キム・ミンジェのモチベーションを一段と高めている。今シーズン初めに何度も反則でPKを与えた。だが崔監督は咎めなかった。キム・ミンジェは、「監督から『失敗しても私の方を見るな』と言われた。その時から気持ちが楽になった」と話した。バックパスを抑え、前にパスを送ることを強調する崔監督の攻撃的なサッカーもキム・ミンジェのプレースタイルと相性が良い。

球際で争う能力と後方からパスで攻撃を展開するビルドアップ能力も優れている。キム・デギルKBSN解説委員は、「キム・ミンジェは洪明甫(ホン・ミョンボ)の足技とチェ・ジンチョルのマンマーク能力を備えたDFだ。大柄だが足も速く、多才な選手だ。韓国サッカーの大型DFに成長する可能性が高い」と褒めた。キム・ミンジェの運動能力は学生時代に柔道選手だった父と陸上選手だった母から受け継いだ。キム・ミンジェは、「父からは骨格を、母からはスピードをもらったようだ」と話した。慶尚南道統営(キョンサンナムド・トンヨン)でテーブル6個のこじんまりした刺し身屋を営む両親は、余裕のない生活の中でも息子をサッカースターに育てた。キム・ミンジェは「自分のために苦労している両親を見ながら成功への熱望が大きくなった」と話した。

全北で大活躍しているキム・ミンジェが。イラン(31日)やウズベキスタン(9月5日)とのロシアW杯最終予選を控えて代表に抜擢されるかどうかにも関心が集まっている。ウリ・シュティーリケ前監督が率いた韓国代表は最終予選8試合で10点を与えた。シュティーリケ監督が解任された後、司令塔に就いた申台龍(シン・テヨン)監督は守備不安の課題を抱えている。キム・ミンジェは、「これまで年代別代表に招集されて練習したり強化試合に参加したことはあるけど、いつも最終メンバーには含まれなかった」とし、「代表チームに呼ばれれば、全北でのように死に物狂いで走る」と言って笑った。



鄭允喆 trigger@donga.com