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今大会切りで引退宣言のボルトが3位、世界陸上選手権100メートル

今大会切りで引退宣言のボルトが3位、世界陸上選手権100メートル

Posted August. 07, 2017 09:12,   

Updated August. 07, 2017 09:25

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殆どのカメラが彼を狙った。6万の観客の視線も彼を追った。そして起立拍手も送られた。ジャマイカの国旗を手にもってトラックを回った。トラックに口づけもした。殺到するファンの写真撮影にも応じ、自分の名前を連呼する観客に向かって笑顔で手を振った。トレードマークの「稲妻」パフォーマンスも披露した。男がゴールを通過した後に見られた場面の数々は、以前と変わらなかった。男の名前が電光掲示板の一番高いと所に映っていなかったことを除いては…。

地球最速の男として君臨してきた「稲妻」ウサイン・ボルト(31=ジャマイカ)が選手としての最後の100メートル走を1位で通過することができなかった。ボルトは6日、英国ロンドンで開催された世界陸上選手権の100メートル男子決勝で9秒95の記録で3位になった。ボルトがメジャー大会(世界選手権、五輪)の100メートルで優勝を逃したのは、不正スタートで失格になった2011年の大邱(テグ)世界選手権以降2度目だ。ジャスティン・ガトリン(35)が9秒92で1位となり、クリスチャン・コールマン(21=以上米国)が9秒94で2位だった。

スタートが遅れたボルトは全盛期のように50~60メートルから飛び出す最後のスパートを見せることができなかった。決勝に進出した8人にうちスタート信号反応時間(0.183秒)が2番目に遅かった。もともとスタートが速い方ではなかったボルトは、2011年の大邱世界選手権の100メートルで不正スタートをして失格となってから、「安全なスタート」により気を使ってきた。ボルトは、「スタートが遅かった。以前のレースでは(遅くスタートしても)巻き返したが、今度はそうならなかった」と話した。

今シーズンのボルトは100メートルの記録が良くなかった。今大会までの3度のレースで10秒台を2度も記録した。ボルトは今年4月に仲良し同僚だった英国の高跳び選手、ジャーメイン・メイソンが交通事故で亡くなった後、その衝撃でしばらくトレーニングができなかった。それでもファンは、ボルトの華麗な最後を期待した。これまでボルトがメジャー大会で絶対強者として君臨してきたからだ。ボルトは世界選手権で11個、五輪で8個の金メダルを獲得するなど、2008年の北京五輪から10年近く、メジャー大会では負けなしのレースを繰り広げてきた。しかし、ボルトは最後の100メートルレースで今シーズン最高記録をマークしたことに満足しけければならなかった。

ボルトは馴染まない敗者の経験をしながらもいつもと変わらない態度で余裕を見せた。ボルトは、「ゲイトリンは凄いライバルだ。コルマンは若いけど物凄い才能を持っている。そういう選手たちに負けたので未練はない」と言い、「私にできることはやりつくした。引退を覆すことはない」と語った。ボルトはケイトリンに祝いの言葉も伝えた。

カール・ルイスとモーリス・グリーン(以上米国)が達成した世界選手権100メートル3連覇はならなかったが、個人通算14個のメダル(金メダル11個、銀メダル2個、銅メダル1個)を獲得し、同部門タイを記録した。ジャマイカ出身の女性スプリンター、マリーン・オッティ(スロベニア、引退)が14個のメダル(金メダル3個、銀メダル4個、銅メダル7個)を獲得した。ボルトは13日、400メートルリレーで史上最多となる15個目の金メダルを目指す。ボルトが選手として走る最後のレースだ。



李宗錫 wing@donga.com