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大統領のドイツ語、そして尹伊桑

Posted July. 07, 2017 10:14,   

Updated July. 07, 2017 10:35

한국어

米国の作家マーク・トウェインは、才能のある人が習うのに英語は30時間、フランス語は30日かかり、ドイツ語は30年がかかると言った。「あなたの助けを永遠に忘れない」は、ドイツ語で「Ich werde Ihre Hilfe nie vergessen」と表現できる。この単純な表現にも、本動詞を最後に置き、二人称尊称の所有格である「Ihre」の「I」は大文字で書かなければならないなど、英語と異なる規則が多い。正確に駆使することが容易でない言語だ。

◆文在寅(ムン・ジェイン)大統領がドイツのメルケル首相との共同記者会見で、「グーテンアーベント(Guten Abend・こんばんは)」、「フィーレンダンク(Vielen Dank・どうもありがとう)」とドイツ語で挨拶した。この程度は韓国語を全く分からない外国人が、「アンニョンハセヨ」、「カムサハムニダ」と言うことと違いはなく、特別なことでもない。しかし、韓国戦争直後に医療支援団として韓国に来たハウザー氏らに会って彼の写真の裏に「あなたの助けを永遠に忘れない」とドイツ語で書いたことに多少驚いた。

◆文大統領は、慶南(キョンナム)高校に通う時、第2外国語でドイツ語を学んだという。司法試験の1次科目の外国語で英語の代わりにドイツ語を選ぶ人もいる。「あなたの助けを永遠に忘れない」は教えてもらって書いたかもしれない。ただ、米国に行って英語を一言も話さなかった文大統領がドイツでは努めてドイツ語を使おうとしたのは興味深い。

◆ドイツで最も良く知られる韓国人の1人が作曲家の尹伊桑(ユン・イサン)氏だ。夫人の金正淑(キム・ジョンスク)氏は、ベルリン留学生スパイ集団事件に関与して韓国に帰って来られずベルリンで他界した尹伊桑氏の墓地を訪れて献花した。「愉快な正淑さん」は、声楽を専攻したが尹氏の難解な音楽を好きだとは言わず、「作曲する先輩たちが関心を持っていた」とだけ述べた。尹氏が日本から船に乗って統営(トンヨン)沖合まで行きながら故郷の地を踏むことができなかったことが胸に迫る。大統領に代わって格別の意味が込められた献花が、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験で色あせるようで残念だ。