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「大口投資家」の張夏成

Posted July. 03, 2017 09:41,   

Updated July. 03, 2017 09:45

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少額株主運動が盛んだった1990年代末、高麗(コリョ)大学のとある教授が、この運動を主導する張夏成(チャン・破損)教授に質問を投げかけた。「財閥の支配構造が改善されれば、本当に株価が大幅に値上がりするだろうか?」。韓国の代表的企業が株式市場で適正価格を受けられない「コリアンディスカウント」が解消されると思うかという質問だった。張教授の答えを聞いて、投資に踏み切った教授は、最終的に高い収益を得て、人生のすべての困難を解決できたという。張教授が直接紹介したエピソードだ。

◆市民団体「参与連帯」は、「10株所有運動」で、少額株主運動に一般人を引き込んだ。三星(サムスン)電子が1株=20万ウォン、ポスコは1株=10万ウォン程度だった時代だった。その頃、高麗大学の研究室に張教授を訪れたことがある。張教授は、海外機関投資家らが自分を招待して出張に行けば、目が回るほど忙しく、韓国企業の現状を説明すると知らせた。その時、熱弁をふるった張教授の顔から、使命感のようなものを読んだ記憶がかすかに残っている。

◆張夏成大統領政策室長が公職者倫理法に基づいて、42銘柄、48億ウォン分の株式を処分したことが、6月末の官報に掲載された。妻と子供の株式まですべて合わせると54億ウォンを超える。いくつかの銘柄は、1株、2株、3株程度であり、小額株主運動をしていたときに買ったものを持ち続けていたんだなあと思った。しかし、1000株、2000株を超える銘柄もあり、CJ-E&Mは1万3630株もあった。株の数と銘柄、投資額をみると、「大口」専業投資家と変わらない。

◆一部の証券業界の従事者らは、市民運動をしていた教授があれほど多く投資をしたのかと驚いた。彼が、人事聴聞会を経なければならないポストに指名されていたなら、その資金源と買い取り経緯などを厳しく追及されただろうという好奇心に満ちた指摘もあった。優良株に定石通りに投資したという別の評価もある。短期高騰を狙ういわゆる雜柱がないという。とにかく一緒に小額株主運動をしていた金尙祚(キム・サンジョ)公正取引委員長が、1〜10株の保有株を処分したお金が800万ウォンだったことに比べると、何かすっきりがない。

異鎮(イ・ジン)論説委員 leej@donga.com