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700通りの人生を生きた金芝美

Posted July. 01, 2017 08:35,   

Updated July. 01, 2017 08:36

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「最初のファム・ファタール」-5年前に「新東亜(シンドンア)」が韓国女性のパラダイムを変えた女優の中で最初の順序としてこの人を照明しながらつけたタイトルである。2010年、「映画人名誉の殿堂」に申相玉(シン・サンオク)、兪賢穆(ユ・ヒョンモク)、黃貞順(ファンジョンスン)に次いで4番目に入った時は、「派手な女優」というタイトルで殿堂入りした。1957年、「黄昏の列車」でデビューし、「ギルソトゥム」や「チケット」など、数百本に出演し、制作者と映画人協会の理事長としても活躍した。韓国映画史の中でかけがえのない、最近の言葉では「狂った存在感」を示した女優は誰だろうか?ほかならぬ金芝美(キム・ジミ)(77)だ。

◆金芝美の魅力は何重にも重なっている。致命的な美しさの女優、カリスマあふれる女傑、世界を震撼させたスキャンダルメーカーなど。氏が「韓国のエリザベス・テイラー」と呼ばれるのには、とびっきりの美貌と屈曲した人生も一役買った。映画監督の洪性麒(ホン・ソンギ)、俳優の崔戊龍(チェ・ムリョン)、歌手のナ・フンア、医師の李鍾九(イ・ジョング)の順で4回結婚し、4回別れた。崔戊龍とは姦通容疑で拘束され、刑務所に入れられたこともある。事実婚の関係だったナ・フンアとは、7歳年下の男との恋で話題となった。

◆生前に俳優朴魯植(パク・ノシク)は金芝美を、「普通の男性とは比較にならない女傑だ」と評した。映画の外の活動においても決断力のある姿を垣間見ることができる。第3共和国の厳しい時代に、氏は野党の金大中(キム・デジュン、DJ)を公に支持した。しかし、DJ政権の発足後、「革命軍」のように振る舞った左派映画人たちとの摩擦を経験し、しばらく映画界を去った。久しぶりに彼女が姿を現わした。一昨日、ソウル映像資料院で開かれたデビュー60周年の特別展「魅惑の俳優、金芝美」の開幕式に出席したのである。

◆顔にできた皺とちらほらする白髪にも拘わらず、金芝美は依然堂々としていて魅力的に見えた。彼女は、「60年間大雑把に見積もっても700本の映画に出演し、700種類の人生を生きた」と言い、「自ら『本当に立派だな』という思いを時折する」と語った。その一方で、「最近は私のような高齢者の俳優たちの立つ瀬がなくなった」と残念がった。「700通りの人生」の喜怒哀楽が丸ごと溶け込んでいる女優の顔、その熱い演技への情熱を生かせない韓国映画界の貧困な想像力が残念だ。