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金淇春と薬殺

Posted June. 30, 2017 09:06,   

Updated June. 30, 2017 09:06

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朝鮮のソンビ(士人という意)精神や日本江戸時代の武士精神は、共に性理学という同じ根から出てきた。ソンビなら薬殺を受ける勇気、サムライなら切腹する勇気が必要だった。王が気に入らないソンビを、それでもソンビとして扱って処刑する方法がほかならぬ薬殺だった。薬殺は刑政にない刑罰だった。平凡な農夫が薬殺の刑を受けることはなかった。サムライなら、薬殺の代わりに切腹を求められただろう。

◆金淇春(キム・ギチュン)元大統領秘書室長がブラックリストの作成を指示した罪の裁判で、一昨日、「判断するまでもなく毒杯をいただくことになれば、きれいに飲んでこのような状況を終わらせたい」と語った。罪を認めたわけではない。ただ、「私が仕えた大統領が弾劾され、拘束されているのに、よく補佐できていたら、このようなことはなかっただろうということで、政治的責任を痛感する」と言い、「過去の王朝時代であれば、滅びた王朝で『都承旨』を務めただけに毒薬を受けて当然じゃないか」という。有罪であれ無罪であれ、早く判断を終えたいという心情の表現とも聞こえる。

◆金氏は、獄死せず外に出て死ぬことが願いだと言うほど健康状態が良くない。ブラックリストは文化体育観光部の都鍾煥(ト・ジョンファン)長官が2015年、議員時代に初めて提起したものだが、特検が手を付ける前までは、批判する失政であり、処罰するほどの犯罪としては認識されなかった。78歳の高齢者が、血管にステントを施したことを無視して、刑務所に閉じ込めたり法廷に連れだしたりしながら罪を追及することより、むしろ「お前の罪はお前が知っているはずだ」と毒薬を与えた過去のほうがより人間的ではないかと思う。

◆金氏も、ブラックリストを否定ばかりするのは、堂々とした態度とは言えない。「法ドジョウ」と皮肉られながら、ソンビに与える賜藥云々なんてできるはずがない。彼は、息子が事故で脳死に陥った状況でも、職を辞さなかった。残っていてほしいとお願いをした方も、お願いを受け入れた方も、ともに非人間的な感じがするほど、「私」よりは「公」のほうを優先したことだけは間違いない。ブラックリストも「私」を追求したものではない。「公」を追求したが、その方法が間違っている。はたしてブラックリストだけだろうか。大統領に忠言できなかったことだけでも、責任が大きい。