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最後の司法試験

Posted June. 23, 2017 09:04,   

Updated June. 23, 2017 09:05

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朝鮮時代、鄭麟趾(チョン・インジ)は、世宗(セジョン)の命令で編纂した「高麗史」の序文で、太祖王建の建国、光宗の科挙の導入、成宗の宗廟(チョンミョ)社稷の確立、文宗時代の太平聖代後の衰退で簡略に高麗史を要約している。科挙がどれほど重要と認識されていたかを物語る。科挙は中国から帰化した諮問官の雙棄の建議で導入され、朝鮮末に高宗が廃止するまで続いた。試験で公務員を採用することは、儒教文化圏の長い伝統だ。その現代版が司法試験、行政考試、外務考試と言える。

◆考試と言えば、真っ先に司法試験が想起されるだろう。その理由は、行政考試に合格すれば行政職5級になり、外務考試に合格すれば外務職5級になるが、司法試験に合格して判事・検事になれば3級になるためだ。最後の司法試験が明日行われる。外務考試は2013年の試験を最後になくなった。行政考試が残るものの、考試の象徴と言える司法試験がなくなることは高麗の光宗以来1000年以上、純粋に試験だけで人材を登用した伝統の終焉と見ることができる。

◆司法試験の合格は昔なら科挙及第のようなもので、町中の慶事だった。メディアは合格者が発表されると、逆境を乗り越えて「人間勝利」を果たした話題の人物を尋ねる。人々はそのようなストーリーを聞いて希望を抱いた。ソウル大学がある冠岳区新林洞(クァンアクク・シンリムドン)には、考試学院と考試院が密集した考試村が形成された。合格の喜びの裏には多くの不合格者の絶望と考試浪人の憂鬱もあった。考試の終焉と共に考試村は活気を失い、人生逆転の夢も消えつつある。

◆韓国のような大陸法系国家で法学専門大学院(ロースクール)の3年は、出身学部の多様性を生かして実務訓練を兼ね備えるどころか、必読書を読むにも必死だ。法学の修士・博士を育てた教育体制は崩壊した。ロースクールは盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が作り、文在寅(ムン・ジェイン)政権は司法試験を存置する考えはない。盧武鉉政権が見て模倣した日本は事実上、司法試験を存置した。韓国は大陸法系国家でロースクール一方主義を選んだ唯一の国となる。