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悪質な書き込みをつける人への寛容などない

悪質な書き込みをつける人への寛容などない

Posted June. 12, 2017 08:50,   

Updated June. 12, 2017 08:51

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三栄化学グループの冠廷・李鍾煥(イ・ジョンファン)名誉会長(93)は、「スター寄付王」である。純粋な奨学財団としては、国内最大規模といえる1兆ウォン台の「冠廷・李鍾煥教育財団」を設立した。ソウル大学史上個人寄付としては最大金額である600億ウォンを、図書館建設費用として寄付した。次男の闘病中に心の痛い出来事が多かったので、病院設立を準備していたが、寄付へと方向を切り替えたことや、離婚の危機まで辞さないほどの巨額寄付を強行した氏の事情は、自叙伝「定道」とのインタビューを通じて、結構知られている。普段から、「善をもって惡を洗いたい」「稼ぐには天使のようにできなかったが、使うには天使のように使いたい」という言葉から、人生の達観が感じられる。

◆李会長が最近、「心の病」を大きく患って、周りに対して、「この世に嫌気がさした」と嘆いたという。サイバー上での人格殺人をさせられたからである。中国で大学講師として働く50代のイ某氏はブログで、「偽の寄付天使」と、李会長への個人的攻撃を浴びせかけた。「毎日、日本軍歌を歌う」「一生を公金横領で明け暮れした」などの虚偽主張と激しい非難も吐き出した。人材育成に私財を寄付した善行の主人公を標的にしたことや、ブログを借名で運営したという点で、特に悪質といえる。

◆名誉毀損の罪で起訴されたイ氏が最近、国民参加裁判で行われた1審で懲役5年を言い渡された。ソウル中央地裁刑事合意25部が、陪審員全員の満場一致の判断を受け入れて有罪を認めたのだ。イ氏は謝罪どころか、法廷でも一貫して罪を否認した。検察は懲役3年を求刑したが、陪審員7人中5人が、これより高い処罰が必要だと示したことで、量刑が決まった。

◆最近の悪質な書き込みの傾向は、その対象を選ばず無差別的に行われるということで、野蛮である。「ホシギ二羽チキン」のチェ・ホシク会長によるセクハラ被害者とそれを助けてくれた女性にも、「コッペム(金銭目当てに近づく女性)」という悪質なコメントが殺到した。最近は、特定集団の政治的意図を込めたサイバー紅衛兵たちの「文字爆弾」も社会問題となっている。デジタルテロは、表現の自由の後ろに隠れて寄生する毒キノコである。真の表現の自由を守るためにも、悪質なかきこみをつける人への寛容などありえない。