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パリ協定脱退を固めたトランプ氏

Posted June. 02, 2017 08:29,   

Updated June. 02, 2017 08:29

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奉俊昊(ポン・ジュンホ)監督の新作「オクジャ」は、山間部に住む少女「ミジャ」とスーパー豚「オクジャ」とをめぐる物語だ。制作に先立って、米コロラド州の食肉処理場を見学した奉監督はインタビューで、ひどい「分解」過程を見た後、1ヵ月半も肉を口にすることができなかったという。映画が、菜食主義の広がりにどんな影響を与えるのか気になる。

◆肉の消費量を減らすことが、動物保護のレベルを超えて地球温暖化を遅らせる代案として浮上している。畜産業が気候変動の主な原因として指摘されたからだ。年間牛一頭が噴き出す温室効果ガスの量は、一年間自動車1台が排出する量とほぼ同じだという。2009年、欧州議会に出てきた英歌手「ポール・マッカートニー」が、「週に一日菜食をすると、気候変動を遅らせることができる」と主張し、「less meat=less heat」を訴えた理由だ。国連食糧農業機関も、「気候変動に対抗するために個人ができる最も確実な努力は菜食だ」と強調している。

◆もちろん、個人の努力には限界がある。異常気象を触発する温暖化は、人類を脅かす災害であるだけに、全地球的レベルの共同対応が必要だ。1997年の京都議定書、2015年のパリ気候変動協定を通じて、国際社会が協力体系を構築したのもそのためだ。先進国だけに温室効果ガスの削減義務を付与した京都議定書と違って、パリ協定は195の締約国すべてに削減義務を適用した。ところが、このような共同戦線に深い亀裂が生じる兆しだ。トランプ米大統領がパリ協定から手を引く方針を固めたという。

◆当選者時代もトランプは、「気候変動は、米国の事業を妨害しようとする中国の詐欺だ」と、パリ協定を猛非難した。その理由は雇用のためだ。最近、ヘリテージ財団は、協定による規制で、製造業分野の雇用が2040年までに20万件が減るという分析もまとめた。中国の次に温室効果ガス排出量の多い米国が脱退すると、協定は存立危機を迎えて、その影響は地球村に及ぶことになるだろう。世界最強大国の責任を投げつける行動だ。ややもするとトランプが軽率な選択で、取り返しのつかない破局を早めるのではないか気になる。