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史上最悪のランサムウェア

Posted May. 15, 2017 08:47,   

Updated May. 15, 2017 08:48

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英国の国民保健サービス(NHS・韓国健康保険公団に該当)の関連病院の職員がサイバー攻撃を受けたのは13日。電子メールが開かないと思ったら、突然医療システムと患者保護システムが順にダウンした。すぐに脅迫の手紙が開かれた。3日以内にビットコイン(仮想通貨)300ドル分を買わなければファイルの復旧はできず、応じなければ一週間後には永遠にファイルを見られなくなるということだった。英紙ガーディアンは、48の病院が救急診療を止めて患者の移送に冷や汗をかいたと伝えた。

◆ランサム(ransome・身代金)+ウェア(ware・製品)という名前のように、データを人質にして金を要求する「サイバー人質劇」だ。2005年に初めて登場し、様々な変種に進化した。今回はたった1日で100ヵ国余りが7万5000回も攻撃を受け、韓国でも発見された。ユーロポール(欧州刑事警察機構)は、「史上前例のないレベル」と明らかにした。

◆ランサムウェアの開発者は、ロシアのハッカー、エフゲニー・ミハイロビッチ・ボガチョフ容疑者(33)。史上最も悪辣で危険なハッカーで、300万ドル(33億ウォン)の懸賞金がかけられている。2014年、米司法省は、ボガチョフ容疑者が12ヵ国の多国籍ハッカーで構成された犯罪集団を率いてコンピュータ使用者の口座をハッキングし、計1億ドルを奪ったと明らかにした。グローバルセキュリティ会社のシマンテックは昨年、ランサムウェアの攻撃の数は前年より36%増え、要求金額も平均1077ドル(120万ウォン)だったと伝えた。しかし、金を渡したとしてもファイルが復旧するという保障はない。

◆ランサムウェアは、匿名性と超国境性のためサイバー犯罪の追跡が難しい仮想通貨を背景に、超連結時代がつくった凄まじい速度で私たちの生活を脅かしていることを物語る。先進各国は数年前から官民一体となったサイバー防衛組織を運営している。米サイバー司令部は、国防だけでなく民間企業の防衛まで担う。日本も、首相室傘下の内閣サイバーセキュリティセンターが官民連携を総括する。韓国は、国家情報院、未来部、国防部に散在している。国家の安全保障の次元で安保室長や国家情報院長の指揮下に統合組織を作り、大々的に強化に着手する時だ。