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マクロンとナポレオン

Posted May. 10, 2017 08:39,   

Updated May. 11, 2017 09:48

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フランスのマクロン新大統領は、1804年の皇帝戴冠式の時に35歳だったナポレオン以来の最も若いフランス指導者だ。マクロン氏の年齢は、数えで40歳、西欧式の年齢で39歳だ。マクロン氏は1977年12月21日生まれ。韓国は年度だけで年齢を計算するが、西欧では月日まで考え、誕生日にならなければ年を取らない。西欧式ではまだ30代だ。

◆マクロン氏の夫人、ブリジッドさんは63歳で、マクロン氏より24歳年上だ。ブリジッドさんは、マクロン氏の高校時代の演劇の先生だった。マクロン氏が高校を終える前の17歳の時、2人はカップルになった。ブリジッドさんと前夫との間の3人の子供の1人はマクロン氏より年上で、1人は同い年だ。ナポレオンが皇帝に就任した1804年当時、夫人はジョゼフィーヌで、ナポレオンより6歳年上だった。ナポレオンは前夫と死別したジョゼフィーヌに惚れて長い求愛の末、1796年に結婚した。

◆マクロン氏が大統領選挙で極右政党・国民戦線(FN)のルペン候補を退けたことは、ナポレオンがブルボン王家を復活させようとする超党派の反革命の試みをはねのけたことに例えられる。ナポレオンが、フランス革命の理念に同調しながらも、実用的中道主義でジャコバン式の左派急進政治に苦しめられた国民の心をとらえたように、社会党政府の閣僚だったマクロン氏の市場親和的な路線も労働市場を締めつけた左派の経済民主化に息詰まった国民に安堵感を与えている。マクロン氏の新生政党「アン・マルシュ」は前進を意味するが、どこかナポレオン軍隊の行進スローガンのような感じだ。

◆新大統領が追求する路線は、米国のビル・クリントン、英国のトニー・ブレア、ドイツのゲアハルト・シュレーダーが追求した第3の道のフランス版といえる。39歳という年齢は、フランスのケネディと言ってもいい十分に魅力的な年齢だ。ナポレオンと様々な点で似ている若い指導者が、悲観的なムードに包まれていたフランスに、危機の国を救うナポレオンになるかも知れないという期待を吹き込んでいる。