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中国がハリス米太平洋司令官の更迭を主張する理由

中国がハリス米太平洋司令官の更迭を主張する理由

Posted May. 09, 2017 08:52,   

Updated May. 09, 2017 08:52

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米ハワイにある太平洋司令部の司令官「ハリー・ハリス」は日系アメリカ人である。小さく頑丈な体格を見れば、侍が連想される。日本は神戸の裕福な家庭に生まれた彼の母親は、太平洋戦争時の米軍の空襲で家や家族、友人をすべて失くし、横浜の叔母の家に避難した。横須賀の米海軍基地で仕事を得て、米海軍上士だったハリーの父親に会って結婚したのは1950年代初頭。ハリス司令官の父親は韓国戦争にも参戦した。

◆1956年、横須賀で生まれたハリスは、幼いときにアメリカ南部テネシー州の小さな田舎町に引っ越した。電気も水道もない農場で働いたハリーの母親は、つらい仕事に黙々と耐えた。息子には、日本語を一切教えなかった。日本軍の真珠湾空襲で始まった太平洋戦争で反日感情が高まった時だった。母はハリスに二つの根を持つことに誇りを持つように言ったが、絶対に日系の雰囲気を出してはならないと頼んだ。

◆ハリーが米海軍士官学校に合格すると、母親は涙を流した。海軍士官学校の卒業後、海軍航空パイロットとして、太平洋やインド洋、大西洋、地中海を股にかけながら4400時間の飛行記録を樹立した。 「アジア再均衡」政策で中国を牽制したバラク・オバマ大統領は、2013年10月、ハリスを太平洋艦隊司令官に、翌年9月に太平洋総司令官に任命した。アジア系米国人としては初めて4つ星の将軍になった。

◆中国が北朝鮮への圧迫の見返りとして、ハリス司令官を更迭するよう求めたと、日本の共同通信が報じた。中国国営メディア「環球時報」は、とんでもない報道だと主張しながらも、「中国人がハリスを嫌うのは事実だ」と告白した。昨年春、ハワイの太平洋司令部で会ったハリス司令官は、米艦隊がいたるところに布陣した世界地図を広げて見せながら、「北朝鮮と南シナ海がアジア太平洋地域で最大の脅威だ」と語り、「米国の利益を保護することが私の使命だ」と主張した。南シナ海に海洋崛起の夢を露骨に表す中国としては、いたるところに空母を配置して遮っている「日系米国人」ハリス司令官がどれほど目の敵だったろうか。