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カーネーションの代わりに投票を?

Posted May. 08, 2017 08:46,   

Updated May. 08, 2017 08:48

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由緒ある英オックスフォード大学に通うためには、服装にも気をつけなければならない。入学から卒業までの主要イベントの時に着用するガウンや帽子、ネクタイ、靴下、靴の種類について、カレッジごとに細かい規定がある。その一つが試験を受ける時に襟につけるカーネーション。最初のテストの時は白、中間はピンク、最後のテストはレッドカーネーションを付ける。花を付けると、試験さえロマンチックになるのだろうか。「オックスフォードカーネーションの試験」は、ここへの進学を目指す生徒たちには、真似したくなる羨望の儀式でもある。

◆古代ギリシャの戴冠式にも使用されたカーネーションの語源は、「神聖な花」であるが、その意味は、色と国によって異なる。赤いカーネーションは、社会主義と労働運動の象徴であり、イタリアなどではメーデーの行進時に使われる。白は純粋な愛の象徴であり、紫色のカーネーションは、フランスでは葬儀用である。アイルランド出身の劇作家で、ファッション感覚が優れていたオスカー・ワイルドは、緑のカーネーションを好んでつけた。彼が同性愛事件に巻き込まれたため、緑のカーネーションは同性愛者の象徴になった。

◆韓国では8日が両親の日だが、米国などの多くの国々では、5月第2週の日曜日を母の日として記念する。1908年、米ウェストバージニア州グラフトンのとある教会で、アンナ・ジャーヴィスという女性が数年前に亡くなった母を称える会を開いたのがその由来となっている。その時、アンナは生前に母が好きだった白いカーネーションを出席者らに配った。母親の愛の純粋さを象徴するためだった。最近は色とりどりのカーネーションがあふれており、選択も悩みの種となっている。

◆「両親の日の贈り物は要らないから、○○○候補に投票してほしい」。両親たちが投票権を持っている子どもたちに、9日の大統領選挙で、特定候補者の支持を頼んでいるという話は冗談ではないらしい。世代別に支持候補が異なる傾向が目立っているのに、投票所で親の言葉に従う子供が果たしてどれくらいいるだろうか。「カーネーションの代わりに投票を!」と言って、政治的選択を親孝行の手段でもあるかのように化けさせた候補らが気の毒だ。厳しい時期に親の胸にカーネーションをつけてあげることだけでも、お互いに胸がジーンとくる。大統領選挙がいつから家の用事になったのだろうか。