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新政府は慰安婦合意をどのようにすべきか

新政府は慰安婦合意をどのようにすべきか

Posted May. 04, 2017 19:42,   

Updated May. 05, 2017 11:55

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大統領選擧が丁度一週間殘った。誰が大統領になっても,直ちに厚い鎧を着て,急ぎ外交の戰場へと走っていかなければならないだろう。不幸にも新しい大統領は國內外でハンディキャップを抱えている。中では重要な外交懸案に對する準備と合意ができていないということであり,外では準備と合意ができている强力な國家と指導者を相手にしなければならないということである。更に大きな問題は,我¤が今まで常識として受け入れてきた外交安保のル¤ルと指導者像がこれ以上通用しないということである。いや,それよりさらに大きな問題は,我¤がそのような¤化に無知であったり,そのような¤化を無視していたりするということである。

新しい大統領は,米國,中國の指導者とこの「利安北友」をめぐり激突するだろう。國家の利益と安保手段の確保,北朝鮮の核開發の阻止を巡る破裂音が大きくなり,韓國は誰の友人なのかを尋ねる聲が再び聞こえてくるだろう。進展は難しく遲いだろう。それでもさらに惡くなりはしないだろう,期待はできる。

日本とはどうだろうか。上の4つの懸案が同じようにテ¤ブルに上がるだろうが一つが更にある。「史」である。その中心に慰安婦問題がある。4つの懸案を全部飮み¤んでしまう可能性がある。だから兩國關係は底まで落ちても,地下室を心配しなければならない。

今韓日の最大懸案は,2015年12月28日の慰安婦合意を新政府がどのようにするのかということである。有力大統領候補らが皆破棄や再協議を主張しているため,どのような形でも現狀¤更が避けられないように見える。

新政府が「檢¤委員會」をつくり,合意過程を調べるという話が聞こえてくる。學界の一部でもそのような主張をする。安倍晋三總理も2014年「河野談話」を檢¤した。檢¤結果は予想どおりであった。韓國政府の無理な要求と宮澤喜一政權の正しくない善意が野合した結果へと追いやり,事實上無用の物にした。1993年發表後,慰安婦問題に關連して外部の攻擊を防ぐ盾として大¤大切にしてきた「河野談話」を,安倍總理という政治指導者が個人的所信により「意味」を踏みにじってしまったのは,國益に反する行爲であった。安倍總理はそれでも「¤承する」と述べた。誰がその言葉(原文:眞正性)を信じるだろうか。

新政府が慰安婦合意を檢¤するならば,安倍總理とは異なり避けられない選擇だったとするだろう。結論も予想することができる。日本政府の無理な要求と朴槿惠前大統領の正しくない善意が野合したものとして,國民の期待を滿たすには余りにも足りないので,破棄や再協議が避けられないと言うのだろう。

自分も12¤28合意に滿足していない。兩國政府が示したその後の態度にも不滿がある。しかし,「不可能な最善」よりは「可能な次善」を支持するという所信により,和解¤癒やし財¤の理事として參加していることを改めて述べる。その延長線上から自分は韓國政府の一方的な破棄や再協議にも反對する。

しかし,國民の選擇を受けた新政府が檢¤に取組み,破棄や再協議をするならば防ぐ方法はない。ただし,いくつかの苦言を呈する。

檢¤をしても非公開にするよう願う。交涉に參加した公務員をカメラの前に立てようとする,または,カメラの前に立てろとのポピュリズムに屈服してはいけない。重大な韓國外交懸案を前政權を侮辱するのに利用するのは正しくない。關連國と第三國にも不必要に惡い印象を¤える可能性がある。政權は有限だが國家は永遠である。我¤もずっと日本政府に「負の遺産」までも受け¤いで責任を負えと要求してきた。

破棄すると言うならのならば,國際社會の非難と叱責,それに伴う損害までも甘受すると宣言して,國民もこれを受け入れなければならない。我¤は正しいから破棄しても大丈夫であり,非難さえ容認しないというのは無理がある。細い竹筒で空を見る「以管窺天」はもう卒業しなければならない。韓國はもうそうするだけの國にはなった。同時に生存する慰安婦おばあさんの老後と慰安婦問題全般に關する敎育¤硏究¤記憶¤慰靈事業などは,韓國政府が最後まで責任を負うと明らかにし,實際にもそのようにしなければならない。

再協議を要求する考えがあるならば,「再協議」という言葉の代わりに「補充交涉」,「補完措置」という言葉を使うことを提案する。日本は破棄も受け入れず,再協議にも¤じないだろう。自分の考えでなく,日本の官僚,學者,記者達がそのように言っている。彼らは,「韓國は時¤忘れているが,日本にも國會があり國民がいる」と言う。言葉を¤えても¤わることはないかも知れないが,ましかと思うので述べる次第である。

日本が再協議に¤じないならば,もう二度と要求しなければ良い。慰安婦合意をつまらない合意だとひっくり返し,再協議を要求するのはもっとつまらない。破棄や再協議を考慮して,過去の歷史とその他の問題を分離して「ツ¤トラック」で對¤するということも言葉のみに過ぎない。日本の關心はただ一つ,新政府が慰安婦合意をどのようにするのかどうかに注がれている。日本は新政府も合意を履行しなければなければならないと主張しており,合意履行の有無を¤分すべての事案と結びつけることは明らかである。だから合意は破っても,他の分野は協力するという我¤の戰略は我¤だけの戰略に過ぎない。

我¤が合意を破棄して,日本が再協議にも¤じないならば慰安婦問題は合意できないというところに合意したことと見なし(Agree to disagree),他の分野での協力を模索する方がむしろ堂¤としている。

しかし,實際に言いたいことは異なる。

自分は,新政府が慰安婦問題は韓國國民を100%滿足させることができる合意はなく,指導者が非難を覺悟して決斷を下さなければ解決できない問題という点を認めれば良いと思う。¤目なことをいいと言い,できないことをできると言って時間だけ引っ張るなということである。さらに多くの希望も,さらに多くの回轉門交涉も問題解決を助けることはできない。

他の問題は論爭もし,第3の道も提示する。しかし,慰安婦問題だけは國民世論や關連¤¤の主張が100%正しいという前題に大統領をはじめとするオピニオンリ¤ダ¤もリ¤ダ¤シップを發揮したり,異見を出したりする考えさえしない。いやできない。解放後,權力機關,軍部,情報機關,共産主義,米國,北朝鮮などあらゆる聖域が壞れた。ただ一つ原型を維持していることが「親日派」という烙印に對する恐れである。だから,慰安婦問題は韓日間の懸案を過剩に代表しており,安保と¤濟問題は過小に代表している。

こういう主張をすれば明らかに,日本の法的責任認定と公式謝罪,國家賠償は絶對にあきらめることはできない目標であり政府はそれを貫徹するために努力する義務があり,朴前大統領は政府の義務と國民の期待を破って屈辱的な合意をしたので破棄や再協議は¤然だと反論するだろう。

ならば尋ねたい。慰安婦問題が浮上して26年間,朴前大統領以前の大統領はいったい何をしたのか。朴前大統領も解決意欲を見せなかったとすれば非難されることもないだろう。もう1つ尋ねたい。新政府は12¤28合意以上のものを勝ち取れるか。結果を予斷せず最善の努力をするのが政府の役割である?期間を定めないで努力だけするということは角があることもせず非難も受けないという意味である。それが正しいと考えるならば,國民も20年でも,30年でもひたすら待つのが適¤である。

北朝鮮の核問題や米國の仲裁などは,慰安婦問題をしばらく伏せておくには役に立つかもしれないが,根本的な解決策ではないという点も想起したい。この問題はすでに國際社會の人權イシュ¤に浮上した。しかし¤事者である韓國と日本が合意をしなければ究極的な解決が難しいことを兩國國民が皆認識する必要がある。外國や國際機關で味方をもっとつくるために戰うのは空しいという意味である。

ソウルの日本大使館と釜山總領事館の前にある少女像の移轉の必要性さえ議論できず,國際條約に基づいて解決のために努力しなければならない機關まで口を閉じていなければならない雰¤氣ならば,慰安婦問題の解決は望めない。正しい正しくないという問題でなく,相手方が最も重視する懸案を冷遇して合意をいうのは自己矛盾というものである。

日本は先進國である上に,學ぶことが多い國なのかも知れないが,尊敬される國家とは距離がある。歷史に對する彼らの態度のためである。日本に言いたいことは遙かに多い。それでも,韓國が自國の問題点にも視線を轉じようとする態度は意味がある。日本でも¤然そのような動きがなければならない。兩國メディアは以前から相手國家を非難するのに紙面と電波を澤山使っている。そうするのが¤果がないことは,最近の韓日關係が¤明している。これからは相手國家を非難することぐらい,いやそれ以上で自國民と政府の見解の矯正にも努力する必要がある。それが兩國關係を改善するのにはるかに¤果的であり,グロ¤バルスタンダ¤ドにも合うと思う。

自分は兩國政府が,最近になって更に高い評¤を受けている「金大中¤小¤パ¤トナ¤シップ共同宣言」20周年である來年,大きい¤組みで兩國の共同利益と未來志向的な目標を提示し,その中で慰安婦問題を大局的,包括的に解決する方案を探してみたら良いと思う。2019年は3¤1運動100周年になる年である。そのモメンタムを活用する方策についても惱む必要がある。

新政府は慰安婦合意をどのようにすべきか。日本の關心が大きいとしても,事實は我¤の問題である。どうなるのか自分も本¤に氣になる。

沈揆先 シム・ギュソン 顧問 ksshim@donga.com