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大統領府経済金融秘書官のポスト

Posted April. 18, 2017 08:38,   

Updated April. 18, 2017 08:39

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大統領府の経済金融秘書官は、大統領経済首席秘書官傘下の6つの秘書官の先任で、経済界では「王秘書官」とも呼ばれる。企画財政部(企財部)と金融委員会、公正取引委員会など重要な経済省庁を統括しながら重要経済政策を取り仕切る。企画財政部でエリートコースを進む1級(理事官)官僚を抜擢して使い、次官に昇進させるエリートコースだ。政権発足当初は、我先に行いたいと買って出るポストだ。

◆李明博(イ・ミョンバク)政権の初代経済金融秘書官は、「高卒神話」と呼ばれるキム・ドンヨン氏だった。企財部に復帰後は予算室長や2次官を経て、国務調整室長へとうなぎ上りだった。朴槿恵(パク・クンヘ)政権初の経済金融秘書官だった周亨煥(チュ・ヒョンファン)も、企財部1次官に続き、産業通商資源部長官に抜擢された。李政権の2人目の経済金融秘書官だった任鍾龍(イムジョンリョン)氏は、企財部1次官、国務調整室長、NH金融持株会長を経て、朴槿恵政府でも金融委員長に重用された珍しいケースだ。

◆要職なので、政権末期には負担になるポストでもある。李政権終盤の経済金融秘書官だった尹琮源(ユン・ジョンウォン)氏は、大統領任期満了を4ヵ月後に控えて大統領府から出てワシントンにあるIMF(国際通貨基金)の理事に就いた。玄旿錫(ヒョン・オソク)元経済副首相と親しかった彼が韓国内にいたなら、次官につくこともできたという話が官界に出回った。彼の後任として、4ヵ月間経済金融秘書官を兼任した崔元睦(チェ・ウォンモク)国政企画秘書官は、企画調整室長を最後に官服を脱いだ。政権交代ではなく、政権継承でも前政府の大統領府出身は忌避対象となるのが最近の世相だ。

◆朴政権最後の金哲周(キム・チョルジュ)経済金融秘書官が、アジア開発銀行研究所(ADBI)副所長に任命されるという。IMFや世界銀行(WB)のようなまともな国際機関ではなく、格に合わないといううわさが出ている。政権が変われば追い出されるはずなのに、悪くない選択だという声もあるが、廃族となった大統領府の参謀たちの境遇を見るような気がして後味が悪い。政権交代のたびに官僚出身の大統領府参謀たちには「反逆者」のレッテルが張られる。税金で育てたエリート官僚を前政府の大統領府勤務経歴だけで、レッテルをつけて冷遇するのは国家的損失だ。