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上海サルベージ

Posted April. 14, 2017 08:41,   

Updated April. 14, 2017 08:42

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旅客船セウォル号の引き揚げに成功した中国の海上救難会社「上海サルベージ」は、韓国政府と契約していた金額(916億ウォン)を2倍以上も超えた2800億ウォンの費用を使った。水面から44メートル下にあったセウォル号を支える鉄製リフティングビームを入れる過程で、3ヶ月も遅れたことが大きな原因である。船尾が石灰質の土壌に覆われており、中国人潜水士らがすきのような特殊装置で、船尾側の土壌を一つ一つ削る作業を行った。

◆セウォル号のリボンバッジを胸につけた上海サルベージの洪沖代表は、セウォル号引き揚げ作業は予想していたよりはるかに困難であったと話した。「何度も放棄したかったが、行方不明者の家族の方々が私の手を握った記憶と、必ず引き上げると約束したために放棄することができなかった」という。一番大変だったのは、コストを増やすためにわざと引き揚げを遅らせているという一部のネットユーザーの非難だったという。契約金額が決まっているので、時間が遅れるほど損失を出す構造なのに、悪質な書き込みは止まらなかった。

◆上海サルベージは、欧州のそうそうたる引き揚げ企業を抜いて2015年8月、セウォル号引き揚げ業者に選ばれた。今回のプロジェクトを通じて、世界的に技術力と名声を認められてたくて、最安値で応札し、価格競争力もあった。悪条件の中で、上海サルベージは、セウォル号引き揚げに会社の命運をかけた。実際に、引き揚げは奇跡に近いという評価だ。問題は赤字だ。洪代表は、「引き揚げのために借りたお金が1億3000万ドル(1492億円)だ」と言い、「個人的な気持ちでは、(引き揚げによって発生した)赤字を韓国政府から補填してもらいたい」と語った。

◆契約は契約である。リスクに耐えるのは企業の運命なのに、損失を被ったからといって補償をする悪い先例を残しかねないという意見が優勢だ。赤字を上回る名声を得たという評価も出ている。一方、高高度ミサイル防衛システム(THAAD)を巡る報復など、稚拙な中国政府は政府であり、上海サルベージは個別企業であり、潜水士たちは命をかけて作業をしてきただけに、最小限の損失補填をすべきだという意見もある。海洋水産部は、500億ウォンまで、一部の損失を補填する案を検討しているという。セウォル号が残したもう一つの宿題だ。