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ネガティブのレベル

Posted April. 11, 2017 08:32,   

Updated April. 11, 2017 08:32

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選挙でしないように言われても、せざるを得ないのがネガティブ選挙運動だ。それだけ効果があるからだろう。1964年、米民主党の大統領候補だったリンドン・ジョンソン側は、野原でデイジーの花びらを一枚一枚数えていた女の子の姿を、核兵器発射のカウントダウンを演出した編集を施して、核爆発と共に女の子が画面から消える選挙広告を作った。共和党の大統領候補だった「バリー・ゴールドウォーター」が政権を握れば、核戦争が起きかねないという誇張された攻撃だったが、ジョンソンの圧倒的勝利に大きく役立った。

◆「安哲秀(アン・チョルス)に投票すれば、朴智元(パク・ジウォン)が上王になる」や「文在寅(ムン・ジェイン)に投票すれば、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権に戻る」という話は、視点に関するものなので、ありうるネガティブだ。「安哲秀の娘の財産を明らかにせよ」でも、「文在寅の息子の願書を出せ」という主張は、検証なので疑惑が残らなくなるまで主張しなければならない。ただ「大田顕忠院(テジョン・ヒョンチュンウォン)を参拝する際、天安(チョンアン)艦遺族を追い出した」とか、「新天地の信徒数百人が党に加入した」などの偽ニュースに基づいたネガティブが、ひそかに出ているのが心配だ。

◆効果を得るどころか、しないほうが増しだったという評価を受けるネガティブもある。安候補が組織暴力団と一緒に写真を撮ったという攻勢がそうだ。本物の暴力団かどうかは分からないが、政治家は身元の知らない大勢の人たちと写真を撮る。片方はセウォル号の前で認証写真を撮ったと攻撃し、他方では、君たちも同じ写真を撮ったではないかと、逆攻勢を繰り広げる状況も同じだ。このようなネガティブで毎朝を始めているのでグッドモーニングの代わりに文モーニングだの、安モーニングだのと戯画化しているという言葉まで聞こえる。

◆自ら進んで弱点を言う候補などあまりいない。相手の弱点を暴くネガティブがなければ、有権者は、候補者が伝えたい情報だけを得ることができる。だからネガティブは必要だと主張する政治学者もいる。1963年の大統領選挙で、朴正煕(パク・ジョンヒ)と対決した尹潽善(ユン・ボソン)が、スパイ「黄泰成(ファン・テソン)」が朴正熙に会うために韓国に降りてきて逮捕されたが、ネガティブ攻勢がなかったなら、有権者はその事実をよく知らなかっただろう。ネガティブをあえてやると主張するなら、価値のある情報や視点が少しは盛り込まれたネガティブをやってもらいたい。