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良い親の条件

Posted April. 06, 2017 08:26,   

Updated April. 06, 2017 08:26

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「幸せな家庭の事情はみんなよく似ているが、不幸な家庭はそれぞれ異なった理由がある」。トルストイの小説「アンナ・カレーニナ」の最初の文だ。「銃・病原菌・鉄」の著者「ジャレド・ダイアモンド」は、ここから「アンナ・カレーニナの法則」を抽出して動物の家畜化を説明した。人々は成功の理由を一つの要素から探そうとしているが、実は、数々の失敗要素を避けることができなければならないというのが柱となっている。アンナ・カレーニナの法則は、親の成功条件にも適用される。良い親になるためには、失敗の確率を減らさなければならない。

◆韓国で良い親になるための最高の条件で、最大のネックは「経済力」だ。国策研究機関である育児政策研究所が一昨日公開した「韓国人の親になることへの認識と子育て観の研究」と題した報告書によると、親に最も必要な「徳目」として5人に1人が経済力を挙げた。子供とのコミュニケーションや忍耐心、正しい人間性、子供への関心と愛は、後に回された。良い親になる最大のネックとして3人に1人が選んだのも本人の経済力だった。昨年20~50代の男女1013人(未婚者259人、子供のいない既婚者57人を含む)を調査した結果だ。

◆お金がなければ良い親にもなれないという韓国人の意識に、なぜか心が痛む。「土の匙の親」は「土の匙の子供」へと受け継がれるという放棄と諦めがうかがえる。それとも、「お金も実力のうち。能力がなければあんたたちの親を恨みなさい」と主張して、韓国社会を大きく騒がせたチョン・ユラの影響だろうか。私教育万能社会で親の経済力に応じて子供の前途が変わる現実を、ひたすら否定することもできない。だからといって、財力を持つ親が良い親の保証手形でもない。某財閥グループの95歳の父親と二人の息子が同じ日に法廷に出頭した場面が残した苦い教訓だ。

◆経済力も重要だが、親の愛、忍耐などが満たされなければ、成功的な子育ては難しい。いつだったか「親は子供を『すぐに』変えさせる人ではなく、『結局』変えさせる人」という文を読んだことがある。子供の変化は、お金の力では買えない。良い親はほぼ同じだが、悪い親はそれぞれ異なる理由で失敗する。