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トランプ氏とイエレン氏の「取引技術」

Posted March. 18, 2017 08:44,   

Updated March. 18, 2017 08:45

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米国のトランプ大統領は、大宇(デウ)建設と事業をした1990年代後半、2度韓国を訪れた。住宅商店複合ブランド「DT」を見て自分の名前(Donald Trump)の略字だと喜んだが、実際は大宇-トランプ(Daewoo-Trump)の略字だった。モデルハウスではコンパニオンに関心を示したにもかかわらず、大宇関係者は「賢い人」と評価した。決定的瞬間に頭を下げることができ、理念のために事を失敗に終わらせるバカではないという意味だ。

◆即興的に事を処理すると見られるが、緻密な計画どおりに動く実業家がトランプ氏だ。「最悪を予想せよ。事業をゲームにしろ。コストは適当に投入せよ」という取引の技術のお陰で、大統領にまでなった。「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長がしたこと(中距離ミサイル発射)に対して非常に憤っている」と「対話するにはもう遅い」といった刺激的な発言をしても、「先制攻撃」という高い代価が必要な戦略は選択肢から排除されたのもこのためだろう。

◆オバマ政府の人物である米連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長は、トランプ氏にとって目の上のこぶのような存在だ。イエレン議長は16日、予想より3ヵ月早く金利を上げ、トランプ氏の景気刺激策に水を差した。特に年3%になるまで金利を上げるという長期計画は、今後トランプ氏側要人が政策基調を変えられないよう釘を刺したのだ。「漸進的金利引き上げ」というFRBのメッセージをめぐって、政府の機嫌を取ったのか、トランプ氏をもてあそんだのか、専門家まで混乱するほどイエレン議長は用意周到だった。

◆「FRBの会議でトランプ氏の減税政策を議論したか」という敏感な質問を聞いている時、イエレン議長は眉間をしかめて瞳に力を集中させた。本来答える時は微笑を浮かべて余裕があふれた。トランプノミクスは考慮の対象ではないというニュアンスだ。トランプ氏より一歩上と見えるイエレン議長の取引技術は、商取引時の情報の重要性を強調した論文でノーベル経済学賞を受けた夫のジョージ・アカロフ教授のおかげかもしれない。イエレン議長に一発食らったトランプ氏は、まもなく新しい取引技術を紹介するだろう。その技術は、為替戦争であることも貿易障壁であるかもしれない。どの場合も、韓国は影響圏内にある。