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「北朝鮮には女性がいない」

Posted March. 06, 2017 08:34,   

Updated March. 06, 2017 08:35

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高句麗の古墳壁画を見ると、女性らが車に乗って外出をしたり、男性らと一緒に踊る姿が出てくる。実際、高句麗の女性たちは、結婚や財産相続はもとより、公的生活においても何ら抑圧や差別を受けず、堂々と自分の声を出しながら生きたという。

◆この地の子孫らは、その伝統を正しく継承できなかった。2月に発表された経済協力開発機構(OECD)加盟諸国対象の調査によると、大韓民国の女性の経済活動指数は、33カ国中32位、男女間賃金格差は36%で、加盟諸国の中では最高レベルだ。行く道は遠くても、とにかく憲政史上初の女性大統領を輩出し、社会のいたるところでガラス張りの天井が壊れる音もうるさい。問題は、早くから女性解放を叫んでいた北朝鮮だ。

◆北朝鮮政権の人権蹂躙は、改めていうことでもないが、特に女性には残忍かつ厳しい。先日、チャンネルAの番組「今、会いに行きます」では、その切なるエピソードが紹介されるたびに、涙の海になった。政治犯収容所で1歳から24歳まで暮らしたパク・グムオク氏は、炭鉱で働く途中ミスをしたという理由で、のこぎりやハンマー、斧などで死ぬ直前まで叩かれた。脱出に失敗したときは、男たちから野球バットで打ちまくられた。空腹に耐えきれず、毒キノコを食べたため、赤ん坊と一緒に命を落とした若い母親の事例もあった。北朝鮮軍の約30%を占める女性軍人は、上級者によるセクハラや性暴行に無防備にさらされている。妊娠が摘発されれば、罪のない女性兵士だけが、強制堕胎と不名誉除隊などの処罰を甘受しなければならない。

◆「北朝鮮には女性がいない」。人権団体「ヒューマン・アジア」と脱北女性団体が8日、世界の女性の日にソウル歴史博物館で行うトークコンサートのタイトルが意味深い。北朝鮮は1946年、男女平等権に関する法令を制定した。その結果は、男女を労働力搾取の手段として「公平に」扱ったことと、女性を性的おもちゃに転落させたことだった。韓国社会も無関心だった。北朝鮮人権法は、9月から施行されたが、北朝鮮人権財団はいまだ発足されずにいる。「女性嫌悪」に敏感な女性団体も、北朝鮮女性の悲劇には静かである。誰も目を向けない彼女たちの涙は、いつ乾くのだろうか。