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上道洞の故金泳三氏私邸

Posted February. 18, 2017 08:22,   

Updated February. 18, 2017 08:22

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政治部記者たちが朝早く有力政治家の家を訪れて取材した時代があった。朝食は政治家の妻や家政婦が準備する。金泳三(キム・ヨンサム)元大統領は、上道洞(サンドドン)宅に来た記者たちに、シレギスープと餅を朝に出し、食べる前に必ず祈りを捧げるよう言ったという。政治部の長老記者の中には金元大統領が直接注いだ茶を飲んだことを記憶する人が多い。このように築いた親密さは記者まで「上道洞系」にするのに少なからぬ貢献をした。

◆映画俳優チョ・ミリョン氏が暮らしたソウル銅雀区(トンジャクク)上道洞の家に金氏が1969年に引っ越し、韓国政治史に「上道洞時代」が開かれた。上道洞は、金大中元大統領の東橋洞(トンギョドン)と共に民主化の基地とされた。金氏は3選改憲を推進した朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領を独裁者だと国会で非難し、自宅前で硝酸テロに遭った。全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領の時は家宅軟禁に対抗して23日間、命を賭けたハンストを行った。軟禁時代、狭い中庭でどれほど歩いたのか、「トラックの跡」が鮮明だったという目撃談を聞いたことがある。

◆金氏は大統領選挙で上道洞の家は大統領府を離れる前と少しも変わらないと強調した。当選後、初めての記者懇談会の時は「決して個人や企業から金を受け取っていない」と宣言した。実際に大統領府に行く時は、着ていた服とシレギスープをおいしく作る家政婦を連れて行ったのが全てだったという。退任の頃、上道洞の家が古くて改築はしたものの、面積は広げなかったので、約束は守ったわけだ。

◆金氏が46年間暮らし、夫人の孫命順(ソン・ミョンスン)氏が今でも暮らしている上道洞の私邸が売りに出された。次男の賢哲(ヒョンチョル)氏は私邸を売って金泳三記念図書館の負債を清算しなければならない状況だという。金大中氏は、金泳三氏を「難しいことをとても簡単に言う人」と評価した。生前の金氏に差し押さえとか借金とかいう複雑な問題を取り上げれば、登山靴のひもを結びもせず「やめておけ、何をそんなに悩むのか」と一刀のもとに解決しただろう。