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トランプのメディア戦争

Posted February. 10, 2017 08:21,   

Updated February. 10, 2017 08:30

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今月初め、ホワイトハウス記者室で定例会見を行うショーン・スパイサー報道官のすぐ横に大型スクリーンが設置された。記者室に常駐しない地方の報道機関やネットメディアがネット電話「スカイプ」を通じて報道官にリアルタイムで質問できるように配慮したのだ。大統領選挙中、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)やワシントン・ポスト(WP)など大手報道機関と衝突したトランプ大統領の大手メディア叩きの一環だ。「ワシントンのアウトサイダー」トランプ氏のアウトサイダー優遇政策と言えようか。

◆これまでホワイトハウスの定例会見は影響力の大きいメディアが主導した。政府省庁のどこに行っても一番前列に座ったAP記者が最初に質問する。スパイサー報道官はこの慣行を初日から破った。APを差し置いてFOXニュースやワシントン・タイムズ、無名のネットメディアに質問権を与えた。先月初めての定例会見では、民主党大統領候補だったヒラリー・クリントン氏を批判した本『Clinton Inc.』の著者であるニューヨーク・ポストの記者を最初の質問者に指名した。

◆NYTとWPは昨年、トランプ候補を検証して「絶対に大統領になってはならない人」とし、トランプ氏の問題点を隅々まで探した。トランプを招待して論説委員団インタビューをしたWPは、「『トランプ大統領』は国家のリスクになるだろう」と非難した。ワシントンの主流メディアが連日厳しい批判を加える時、全国に散在する保守系の群小ネットメディアは友好的な記事を載せてトランプ氏を守ったので、トランプ氏の報恩と言える。

◆トランプ氏は、ツイッターでも政権に批判的なNYT、CNN、ABC、NBCなどを連日攻撃している。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領府がネットメディアに春秋館(大統領府記者室)の門戸を開け、政権末には省庁統合定例会見ルームを作るという理由で記者を追い出したことと重なる。追い出された記者たちはカフェを転々として記事を書かなければならなかった。ホワイトハウス記者室の「スカイプ」が様々な世論を聴く窓口になるか今後見守る必要がある。明らかなことは、好みによってメディアを分ける大統領の出現であり、米国のメディア文化が退行するということだ。

崔永海(チェ・ヨンへ)論説委員