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考試村のシリコンバレー化

Posted February. 07, 2017 08:26,   

Updated February. 07, 2017 08:38

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ソウル新林洞(シンリムドン)の考試院に、スマートフォンの形をしたタイムマシンが宅配便で届けられた。小説「突然タイムマシン」に登場する5人のキャリア試験受験生にとって、タイムマシンは宝くじに当たったほどの魅力的な脱出口だった。考試院のオーナーは、タイムマシン争奪戦に陥った若者たちに、「途中で目的地を変えても、船をつけられる港はいくらでもある」とアドバイスをする。現実の受験生たちはこのようなアドバイスを、起業に挑戦する触媒剤として活用するか、それとも世間のことを知らない言葉だと貶めるか分からない。

◆グーグルのラリー・ペイジやフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ、ユーチューブのチャド・ハーリーとスティーブ・チェンなど、世界的企業の創業者は皆20代に起業した。彼らの経営行動を分析したベンチャー投資家「ショーン・アミラティ」は、起業家のビジョンや市場を徐々に増やすことができるアイデア、問題解決力などを成功要件として取り上げた。大した秘訣ではない。あえてタイムマシンでなくても道はある

◆大統領選挙候補である野党「正しい政党」の劉承旼(ユ・スンミン)議員は5日、「考試村をシリコンバレーに」という起業公約を打ち出した。考試村にベンチャータウンを設立するという開発政策と誤解しがちだが、新林洞や鷺梁津(ノリャンジン)などを情報技術(IT)団地として開発するという意味ではない。実際の政策は、政策資金調達窓口の多様化など、かつてから取り上げられてきた技術的内容が多い。米西部サンフランシスコの周辺がシリコンバレーベンチャーの揺りかごだという見方もすでに古い。最近の冒険家たちは、東部のニューヨークに移動している。劉議員側は、耳にすぐに入るように政治的作名をしただろうが、キャリア試験受験生の起業家精神を強調する前に、彼らが世間に対して感じる恐怖に耳を傾けるべきだった。

◆野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)元共同代表は昨日、「『誠実失敗』に対しては、再挑戦のチャンスを与える産業政策に転換しなければならない」と述べた。「一度の失敗が一生の失敗にならないようにしたい」と語った劉議員の言葉と同じだ。起業後に経験した失敗を傷だと受け止めることに限界がある。若者が失敗から学び、さらに一歩進んだなら、それほど貴重な社会的資産もない。何度でもチャンスを与える発想の転換が必要だ。政治家が常識に嵌っていれば、第4次ではなく第10次産業革命が到来しても、起業で雇用を創出することは難しい。