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トランプのホワイトハウスの「春秋館」

Posted January. 18, 2017 08:35,   

Updated January. 18, 2017 08:36

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米大統領執務室「オーバルオフィス」は、ホワイトハウスのウエストウィング(西館)にある。ここにホワイトハウスの記者室が設けられたのは、1969年のリチャード・ニクソン大統領の時だった。ニクソンは、ホワイトハウスに出入りする記者たちが増えると、屋内プールのあった場所に「ウェストテラスプレスセンター(West Terrace Press Center)」という記者室を設けた。2000年、ビル・クリントン大統領の時、「ジェームズブレイディプレスブリーフィングルーム」で名前を変えた。1981年、ロナルド・レーガン大統領が銃撃を受けた時に負傷して障碍者となったジェームズ・ブレイディ当時のホワイトハウス報道官に敬意を表するためだった。

◆実際、ブリーフィングルームに行けば、狭いうえ、素朴な感じさえする。ホワイトハウス出入り記者証のある記者は750人だが、座席は49席しかない。メディア影響力の大きいAP、CNN、ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、ウォールストリートジャーナルなどの記者らが前列を占める。大統領だけでなく、副大統領や秘書室長、報道官など、ホワイトハウスの高位参謀らの事務所もすべてウェストウィングにあり、取材にあまり不便を感じない。

◆大統領選挙時に、主流メディアと仲たがいしたドナルド・トランプ米次期大統領が、ホワイトハウスの記者室を撤去する様子を見せている。プレスルームをホワイトハウスの向かい側にあるアイゼンハワー行政棟ビル(EEOB)やホワイトハウスのカンファレンスセンターに移すというニュースに出入り記者たちがかっとなっている。ショーン・スパイサー・ホワイトハウス報道官内定者は、「インターネットブロガーやラジオ放送などの小規模メディアを収容するための措置だ」と主張したが、米紙ニューヨークタイムズは、「大統領を取材する記者らが、ホワイトハウスの外で出入者らに対してパン粉情報でもねだった1890年代に戻れとでもいうのか」と憤りをぶちまけた。

◆2003年3月、当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、記者室である春秋館を開放型登録制に変えた。登録さえすれば、インターネットメディアも出入りさせる代わりに、記者らが秘書室を訪れて取材していた慣行は中止させた。トランプも手に余る主流メディアの代わりに、心強い味方であるインターネットメディアに取材門戸を開くという考えだ。トランプが14年前の大統領府の記者室をベンチマークしたとは思えないが、批判的マスコミへの反感は盧元大統領に劣らないようだ。