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携帯電話殺し

Posted January. 07, 2017 08:56,   

Updated January. 07, 2017 08:57

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携帯電話を電子レンジに入れて回せばどうなるか。金箔の模様があるコーヒーカップを入れれば金箔が真っ黒に焼けるのと同じだ。金属である上・下段部分のブルートゥースアンテナが最初に燃え、バッテリーの燃焼につながって、最後には火が出る。通話記録が保存されたメモリーチップも金属なので例外ではない。電子レンジから出る電磁波に電流を誘導する作用があり、電流が流れてはならない導線に電気が流れ、これにより過熱されて火花が散る。

◆検察の家宅捜索に備えて携帯電話を電子レンジに入れて回せと、前大統領政策調整首席秘書官の安鍾範(アン・ジョンボム)被告が李承哲(イ・スンチョル)全国経済人連合会副会長に教えたという。崔順実(チェ・スンシル)ゲートが明るみになり、関係者が組織的に証拠隠滅を図ったのだ。文書には携帯電話の液晶の右上段3分の1の部分を集中的に破壊し、位置追跡されない川に廃棄するよう親切に教えている。

◆携帯電話が水に浸かったり破損してもメモリーチップを抜いて復旧できるが、メモリーチップ自体が破壊されれば復旧は不可能だ。そのため川や海に投げることは最も徹底して携帯電話の証拠を消す方法だという。ただし、液晶右上段3分の1部分を壊せというのは誤った情報だ。メモリーチップの位置はモバイル機器によって千差万別で、それも右下段に位置していることが多い。このような専門的な方法が経済学者である安氏の頭から出てくるはずがない。デジタル・フォレンジックに詳しい専門家の助言を受けたのだろう。

◆大統領府首席が組織暴力団の間で交わされるような証拠隠滅方法を文書に作成して伝えたというから驚きを禁じ得ない。いざ安氏は自分の携帯電話と証拠隠滅指示が書かれた文書だけでなく、朴槿恵(パク・クンへ)大統領の指示を細かく書き取った業務手帳17冊を検察に没収されたことはアイロニーだ。朴大統領、崔順実被告との通話内容が録音された、前秘書官のチョン・ホソン被告の携帯電話とともにこの業務手帳は朴大統領の疑惑を明らかにする重要な物証になった。安氏の細心さ、さもなくば怠惰に祝福あれ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員